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いい時間だったなあ!と思うイベントに共通すること

さいきん、広報やNPOの資金調達関連で、講演や勉強会に呼んでいただくことが増えました。

ライティング講座をしたりプレゼン講座をしたりとスキル系から、広報戦略やファンドレイジング戦略など重ためのものまで。

11月は、東京アートポイント計画さんの勉強会でお話ししました。こんな素敵なレポートにしていただいてます。※この記事のトップ写真もアーツカウンシル東京さんからお借りしました。

小さいけれど中身の濃そうな会に呼んでいただいてありがたい。来てくれた方の反応や質問がものすごく勉強になるし、わたしが教えてもらってばっかりのようにも感じます。

でも実は、わたしは講演がそんなに得意ではないです。コンペとかピッチプレゼンとかの「勝ちにいくプレゼン」なら鬼のような数をやってきた😨と思うけど(師匠も「勝ちにいくプレゼン」が強いひとでした)、インプットの場としての価値を出そうとすると違う頭を使うので、毎回スライド作成は地味に苦労しています。

聴講者のニーズを把握する

そんな中で、イベント後にわたしが「いい時間だったなあ!」と思えるイベントに共通するのは、イベント主催者の方が聴講者のニーズをよく把握されていることです。わたしが上手にプレゼンできたからかというとそうでもない。コンペだったら間違いなく負けていたプレゼン内容でも「よかったなあ!」と思えるイベントがありました。そこにイベント主催者の手腕を感じました。

ここにはどういう人が来るのか?
どういう困りごとを持っているのか?
このイベントに来るちょっとアウトローな人(ど真ん中のターゲットではないけど来ちゃう人)は何を考えているのか?

をよく知っている。

ニーズを知るには、だれかのことをよく知っている必要があります。どういう人なのか、なにに興味があってなにには興味がないのか。これまでいかに他者に興味を持って話を聞いてきたかが物を言います。

広報新任の方への研修ではかならず「だれにその情報を届けるのか?」の「だれ?」の部分をくわしく想像してもらう時間をつくりますが、「意外と相手のことを知らなくて詰んだ…」「わたし〇〇さんのこと全然知らないんだ…」というのはよくあることです。意外とみんなじぶんのことでいっぱいいっぱいで、他者に純粋な興味をもって話を聞いていないんだよね。


ニーズを具現化する

そしていい主催者さんは、聴講者ニーズを企画のタイトルに、事前説明に、案内メールに、スケジュールに、すべてに反映させています。ニーズを拾うだけじゃなくて具現化させる力があるのがポイントです。

だからこちらから「こういう内容のプレゼンはどうですか?」と聞くと「そっちよりはこっちですね」という感じでうまく軌道修正してくれます。

イベント当日はわたしが話しやすいようにアイスブレイクをして会場をほんわりさせてくれたり、わたしが話す前にわたしのことを上手に紹介してくれたりする。そういう他者と他者をつなぐブリッジパーソンになりうる人は貴重だなと思います。

わたしがそんなにネームバリューがないため、主催者さんがネームバリューに頼らないイベント設計をしている方がほとんど。いままでご一緒したイベント主催者の方はみなさん企画設計がものすごく丁寧です。

いやはや、さすが…。

翻訳者になる

どこかで講演をしようとしたとき、そのコミュニティではまちがいなく私は異世界の人です。そんな異邦人との会話を成り立たせてくれて、中に溶け込ませてくれるし、かつ現地人にとって「不快でない、よき刺激」となるよう調整してくれる翻訳者の存在は重要です。(ややもすると、異邦人は不快になるから)それが他者と他者をつなぐブリッジパーソンです。

でも実は、イベントのマネジメントだけではなく、いろんな場面で翻訳者は必要とされるんだよね。

医療の現場において、看護師さんや薬剤師さんが患者さんとお医者さんをつなぐ翻訳者になっていることはよくあります。診察室で、お医者さんを前にしてうまく言えなかったことを看護師さんに世間話のなかでポロリと言ってしまうことはよくあります。そのポロリが貴重な情報だったり、あるいはポロリとこぼすことそのものが患者さん本人の幸福につながっていることはある。福祉でも、学校でも、飲食店でも、アプリ開発でも、そんな場面がある。

双方の文脈を理解したうえで、見えてこなかった世界を見せてくれる。翻訳者は、八方ふさがりとなった部屋に窓をつくるような、可能性をひろげる存在だなと思います。

マガジン読者さん向け余談:自分のニーズを自分で満たす

実は「自分を肯定する気持ちが少なくて、他者の文脈に寄り添い過ぎなひと」だと、逆に、適切に他者のニーズを把握していないということがよくあります。


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