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【展覧会レポート】キュビスム展@国立西洋美術館

開催が発表されてから気になって仕方がなかった展覧会。
「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」@国立西洋美術館に行ってきた。

全14章からなる構成で、おおよそ時系列に並べられている。
キュビスムの流れが非常にわかりやすい展示構成だった。
キュビスムという概念が、ピカソやブラックらが、いかに美術界に大きく革新的な影響を与えたのかを理解できた。

キュビスム初期の、ピカソやブラックの抽象的要素が徐々に発展していく。それは現実や写実性と、創造の狭間で試行錯誤した画家たちの偉大な功績である。

初期のキュビスムはモノクロや灰色の画面だが、それが徐々に色彩豊かになっていく様子が見てとれた。

キュビスムとは何かというのはうっすら学んだことはあったが、どのように広まり発展していったのかまでは知らなかった。セザンヌからコルビュジエまで長きに渡って繋がっていることがこの展示でよくわかった。発展の過程にある様々な要素についても見ることができた。

作品数やそれに応じて構成面での章数も多かったと思うが、鑑賞している時間があっという間に感じた。

一部写真撮影可の作品もあったので、お気に入りは何点か収めた。

ロベール・ドローネー《パリ市》1910-1912年
マルク・シャガール《婚礼》1911-1912年

ドローネー、シャガールが個人的にとても気に入った。
どちらも名前や画風は知っていたが、キュビスムという括りの中で見てみると、また違った発見をすることができた。
ドローネーは「色彩」というイメージや前提知識はあったが、それがキュビスムの流れを汲んでいるところまでは知らなかった。
シャガールは、やや不気味な雰囲気が特徴だが、その独自の世界観がどのように形成されていったのかを知ることができた。

最後に、国立西洋美術館の良いところは、展覧会のチケットで常設展も鑑賞できるところだ。今回ははしご予定があったため泣く泣く諦めたものの、何度訪れても素晴らしい作品が揃っている。ぜひ立ち寄ってみてほしい。

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