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『手わすら』

昨日はボランティアで開催しているグリーフケアCafeの日だった。
これは私が所属する日本グリーフ専門士協会で学んだ仲間たちで開催する、わかちあいの会のひとつ。グリーフ(喪失の悲嘆からくる心身の反応)を抱えた人が、心の奥にある様々な想いを言葉にできるような、安心安全な場づくりをしている。

私はこのような『語る場所』を作ったり、呼ばれたりすることが結構ある。その時思うのが、人は思いや考えを言葉にすることが、自分で思っている以上に苦手だということ。心の中には言葉が溢れているはずなのに、いざ口に出そうとするとどこから語っていいかわからない、どんな言葉を使ったらいいかわからない。

そんな時に助けてくれるのが『手わすら』だ。これは方言で『手遊び、手いたずら』などの意味。授業中や通話中などに、気づくといたずら書きをしていたり、紙をちぎったり折ったりしていた、という経験はないだろうか。こういうことをしていると、先生に「手わすらしてんじゃない!」と怒られるのだ。

この手わすら、心をゆるめる作用がある。緊張をほぐしたり、いい意味で話に集中しすぎない、またはストレスなく集中できるなどの効果があるように思う。語る場所を作るときに、簡単なクラフトや作業があると、言葉が出やすくなる。だから私はよく、ぬりえを使う。

昨日のグリーフケアCafeのあと、メンバーのひとりが提案してくれた『ハスの花づくり』をした。韓国のクラフトらしいのだが、これがいい感じの『手わすら』で、話しながらの作業にピッタリだ。最後に出来上がった花の下にライトを灯し、何とも言えぬ満ち足りた気持ちを味わった。お盆前に、これを作りながら語る場を作りたいと思っている。


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