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咲きたい場所

昨年の4月に友人からプレゼントしてもらったワイヤープランツ。
ちゃんと水もあげていたのに、ちょっとずつ枯れていって3本くらいしか残っていない状態だった。
このまま枯れて行ってしまうのだろうか、と悲しく思っていた。

キッチンカウンターの上の模様替えをした時に、ふとワイヤープランツを水槽の上に移動させた。
移動距離、30センチ。高さが20センチくらい高い場所になった。
それ以外は何も変わらず、毎日水を上げて、眺めていたら、なんと。
新しい芽が出てきたのだ。

完全に新しい枝が3本。枝というのかわからないけれど。
そしてもともとの枝もどんどん長く伸びて、枝分かれしてきた。

変わったのは場所だけ。しかもほんの少し。
それでもこの子にとっては大きな違いだったのだろう。
温度とか、何かに触ってしまうかどうかとか、ちょっとした変化もあったのかもしれない。
とにかく、元気に伸びることができる環境にうつることができたのだ。

置かれた場所で咲きなさい、という本が流行ったことがあった。
少しだけ読んでやめてしまったので、著者の意図するところを理解してはいないと思うのだけれど、私は置かれた場所に甘んじて咲かなければいけないのか??とちょっと不服に思ったのだ。

誰にでも、それぞれ違った心地いい場所の条件というものがあって当然だ。
居場所を選べない時もあるかもしれないけれど、ずっとそこに居て我慢して、そこで精いっぱい自分らしさを発揮しなさいと言うのは、なんだか苦しい。
極端に言えば、一生自分が心地いい場所を求めて動き回ることだって、それはそれでいいのではないかと思ってしまう。

このワイヤープランツのように、ちょっと移動しただけでのびのびとすることがあるのだ。
人間で言ったら、なんだか居心地が悪かった席から席替えしたら、ようやく深呼吸できるようになった、くらいの違いかもしれない。
それだって、毎日のことだったら人生がガラッと変わったと言ってもいいくらい、幸福度が上がるのではないか。
それによって落ち着いて勉強できるようになったり、仕事が捗って新しいアイディアが生まれたり、するかもしれない。

だから私は、咲きたい場所で咲きなさい、と言いたい。

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