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猫ミームで言えてしまうこと

猫ミームというものがSNS上にあふれている。
ちょうど2月22日のネコの日があったことも、大爆発に拍車をかけたのかもしれないが、見ていてちょっと気になったことがあった。

ほとんどは割とライトな内容で、日常のこと、ちょっと笑えること、あーあるある!と共感されるようなことなのではないかと思う。
ただ、笑えない、本当にシリアスな内容を、カミングアウトしているものに出会うことがある。

いくら匿名のSNSであっても、本当にシリアスで重い内容のものを言葉にすることに抵抗がある人もいるだろう。
人に見られることより、自分で言葉にして綴る、または口に出すことで、その出来事を追体験することになることがとても辛い、ということが理由のひとつではないかと思っている。

ところがこの猫ミームというものだと、どんなに重い内容の物でも、あの猫やヤギなどに演じさせることで、ライトな印象に変わる。
そして、問題が外在化される。
また、動画を作ること自体が、ずっと抱えてきた体験による苦しさや怒り、悲しみなどのネガティブな感情を手放すきっかけになるのかもしれない。
そういう意味で、この流行りに便乗して心が少し楽になった人は、結構いるのではないか。

もちろん、シリアスな内容をセンセーショナルなものとして受け取る人も多いことから、いわゆる『バズリ』を狙ったものもたくさんあるだろう。
もしかしたら創作がほとんどということかもしれない。
それでも、本当に猫ミームをきっかけに、ずっと心の奥に抱えてきた物を手放すことができた人がいるのなら、よかったなと思うのだ。

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