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九州ツーリングを終えて


2024/3/26〜4/5、九州を旅した。

日が経つと、その時の気持ちが
薄らいでしまうことに気づき
消えてしまう前に記しておきたいと思う。


九州ツーリングの感想は

「素晴らしかった」

そのひと言に尽きる。


特に、走っていて感じたのは

感謝の気持ち

だった。


素晴らしさにはいくつかあった。

・景色の素晴らしさ
・自然の素晴らしさ
・人の素晴らしさ
・旅そのものの素晴らしさ

その中でも今回特に感動したのが
自然の素晴らしさ。

自然というと、風景、景色という気がするが
わたしが感動したのは、まず空。天候だ。

いつも雨に降られる相棒とわたし。
納車日から必ず雨に降られてきた。

雨の中走るのは、もはや当たり前。

そのために必要な装具はほぼ整った今
濡れて困ることはほとんどなくなった。

が、今回遭遇したのは、突然の雷雨。
バケツをひっくり返した…の表現がピッタリな
どしゃぶりの雨と、落ちないのか心配な雷。

突然の雷雨で、雨具を着ることもできず
叩きつけられて重みを感じるほどの雨に
全身打たれながら走った。

前が見えない恐怖と、この状況をひとりで
切り抜けないといけない覚悟と。

人は危険にさらされると「生きている」ことを
実感するのか。

今も、体に当たる雨の強さと時折響く雷の音を
鮮明に覚えている。


その夜に見た稲佐山からの夜景。
直前までの雨、山頂にかかる雲。

今晩しかいられないから…

覚悟しながら霧雨の中、山頂に着くと
雨は止み、雲は切れた。

鮮明な明かりがきらびやかに輝き
「空気が洗われている」ことに気づく。

夕方の雷雨が空気の汚れを洗い流したことを実感。
最もクリアな視界で、世界新三大夜景を堪能した。

雨を有り難いと思ったのは初めてだった。

雨の後は、いいことがある

今回の一番の収穫は
雨を好きになったこと。


もうひとつの自然は、花。桜だ。

寒さ残る中、九州の地に降り立ち
翌日は雨。凍えてしまうほどの寒さ。

やまなみハイウェイの路肩のお店で
ホットミルクを頼み、ストーブにあたらせてもらって
震えながら一日走った次の日。

快晴の空の下、気温はぐんぐん上がり
桜が咲き始めた。

その日から至るところの桜が一気に開花し
2日後にはほぼ満開になった。

寒い日が続いた後、汗ばむくらいの日が続いたので
みな一斉に花びらを開いた。

おかげで、どこに行っても桜、桜、桜🌸
どの桜も等しく満開で咲き誇っている。

同じ道を毎日走ることも多く
日々、花が開いていくことを実感しながら
桜並木の下を走った。

そのうちに始めたこと。

桜を見つけたら「ありがとう」とつぶやこう

どこに行っても出迎えてくれる桜に
感謝の気持ちが込み上げてきて
桜を見るたびに「ありがとう」とつぶやくようになった。

「ありがとう」
「ありがとう」

人というのは、感謝の気持ちを抱くと
心が緩み、五感が広がるのか。

有り難いと思うと、周りの景色が際立つ。
風の音が聞こえ、山の色が冴えるように感じた。


バイクに乗ると、考え事にふけることも多い。
思考が内を向き、静かに自分と対話をする。

そんな時、周りは見えているようで
心には入って来ない。

空の色はあせ、道路と同じ灰色になる。
畑の光るような黄緑色も見えない。

そうして走った時の深い思考は
後の気づきのきっかけとなることが多く
貴重な時間でもある。がもったいない。

去年との一番の違いはそこだった。

去年はどこを走ってもずっと
両親のことを考えていた。

父母が亡くなった時、わたしは悲しむことが
できるんだろうか

笑顔で父母の介護ができるんだろうか

心にわだかまりがあるわたしは
両親が亡くなっても涙は出ない、「お世話をしたい」
と願って介護はできない気がしていた。

何にわだかまりをもっているの?

何に対して?
どこに?なぜ?

そんなことをずっと思いながら
九州までの道のり、九州に入ってからもずっと
走っていた。

自分との対話の旅だった。

その道中で気づけたことはたくさんあり
その後、わだかまりをとくことができた。


一年経って今。
同じ道を走っても、何も浮かばない自分がいた。

あの悩み、苦しみは消し去ることができたのか。
心の底に住む小さなわたしと仲直りできたのか。

同じ地に来て、感じた成長。

両親と上手くやっていける気がする

去年の灰色に見えた景色を
鮮やかな色合いで感じられることに
感謝の気持ちがまた込み上げていた。


景色の素晴らしさは、雨上がりと心持ちのおかげで
曇りなく彩り豊かに視ることができた。

わらの色と言えばいいのか。

丘はベージュ色が主に多く、それが緑に変わるのが
6月初旬だとお店の人が教えてくれた。

見てみたいな

と思った。

記憶の中にある城島高原はまさにその色だった。
だから、夏でもいいのかと思った。


もうひとつ。人の素晴らしさ。

まずは、あこはるかさん。
はるかさんがいなければ、知らずに通り過ぎた
場所がたくさんあった。

行かないと見えなかった志賀島展望台からの景色。
脇道に入らないと見ることのできなかった
平尾台の風景。

梅ヶ枝餅、ハンバーグステーキ、天ぷら

どこも連れて行ってもらえたからこそ知り
美味しくいただくことができた。

福岡空港、小石原川ダム、道の駅小石原、温泉

一人だったらどこにもたどり着けていない

旅の道中にも何度もそのことが頭に浮かび
その度、感謝の気持ちでいっぱいになった。


旅はひとり旅に限る

そう思っていたわたしに、新しい旅の楽しさを
教えてくれた。

ひとりになりたくて旅に出ているわたし。

そんなわたしに、二人で行くメリットを
真っ直ぐに教えてくれた。

素直に受け止めることができて
新たな旅の面白さを知ることができた。

あこはるかさん
本当にありがとう!楽しかったね♪


もう一人。geekさん。

いつも、旅の前にルートの相談をしている。
今回も阿蘇のオススメルートを聞いていた。

途中、急きょ家族が一緒に来ることになり
「ひとり旅が…」と動揺してた時も

自分は何をしたいのか?

を大切にするといいとアドバイスをくれた。

おかげで冷静になれて
「ひとりじゃない時間」と「ひとりの時間」を
分けて考えることができた。

わたしにとって人生のコドラのようなgeekさん。有り難いなぁといつも思っている。
※コドラ:ラリーで助手席にいる人。詳しくは調べてね!

geekさん、ありがとうございました。


今回は、往復フェリーを使ってみた。

結果は「海が荒れると船は揺れる」という
当たり前のことを痛感した。笑

乗り物酔いがひどいわたしには
なかなかハードな船旅だった。

帰りはピアノもあったのに
『イベントでしか使いません』という受付の返答に
「もったいないな」と思った。

また九州に行くことがあったら
次は自分で走って行こうかなと思っている。


旅の素晴らしさとは

非日常な一日を提供してくれるもの
心の洗濯ができるひととき

美味しいものを食べる
素晴らしい景色を見る

そんな旅の楽しさもあるけれど
わたしにとっては生きるために必要な時間。

心の底にあるものに気づき
閃いたことをつなげ、ひとつにまとめていく。

そんな思考の時間でもある。


何十年かかって、この気持ちに気づき
認めることができるようになったんだろう

両親とのわだかまりがきっかけで
noteの世界に来たわたし。

去年の九州ツーリングで気づき
一年後に確信する。

今回の旅は

ひとつ、階段を登れた

そんな気分になる旅だった。




最後まで読んでくれたみなさま
ありがとうございました。

旅の良さを少しでも感じてもらえたなら
幸せです。



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