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善意のクソリプ送ってませんか?

最近、「ベビーフード問題」でTwitterが炎上している。

ベビーフードを買いだめしたママに、「それは自分優先じゃない?大人がカップ麺食べれば?」という趣旨の引用リツイートを送った人がいた。

送られた本人が拡散し、炎上。
引用リツイートをした人のアカウントは削除されたらしい。


「よその家庭に口を出すな」は当たり前のことだが、私が気になったのは、「罪に対して罰が大きすぎないか」ということだ。

引用リツイートを送った人の罪は、「よその家庭にケチをつけたこと」。

必死に子育てをしている母親に対して、追い詰めるような発言をしたことだ。

それ自体は、非難されてしかるべきである。

だが、Twitterをしている日本人全体から非難され、アカウント削除を迫られるほどの発言だったのだろうか?罰が大きすぎるのではないだろうか?


ここまで罰が大きくなった原因は、「善意のクソリプ」が許されすぎているところにあると思う。

※この記事では、善意のクソリプを「傷ついた人を守ってあげたい・問題発言を正したいという理由で、特定の個人に暴言を吐くこと」と定義する。


ベビーフード問題に関わらず、「善意のクソリプ強すぎ」現象はさまざまな所で起きている。

不倫をしたオリンピック選手が日本中から責められているのも、同じ現象だ。

何度も言うが、不倫自体は非難されてしかるべきだ。

だが、非難する権利は当事者と関係者にしかない。

ベビーフード問題でいえば、引用リツイートを送られた本人のみ。
不倫問題であれば、家族とスポンサーのみ。

「他人を傷つけた人なら、誰が何をしてもいい」なんて理論はあってはならない。


考えてみて欲しい。

配偶者が仕事で忙しく、一人で育児をしているとする。

「子どもより自分の仕事が大事なんでしょ?」と配偶者に告げる。

配偶者は、「何でそんなこと言うの?こっちの気持ち全然分かってないよね」。

言い合いをしているときに、義母が出てきて「あんたの意見が間違ってるわ!相手のこと何にも考えてないのね!」と怒鳴られる。

配偶者・義母からその話を聞いた人たちが続々と家の前に集まってきて、「配偶者の気持ちを考えられないクズ!!」と責められる。

※たいてい、この人達は事情をちゃんと理解していない。


私が同じ状況になったら、もう二度と外に出られないだろう。

そこでもう一度考えて欲しい。
これは本当に、外に出られなくなるほどの失言だったのか?


失言よりも、この人を責めている大勢の人たちの罪の方が大きいのではないだろうか。


SNSの怖いところは、2つある。
大勢で責めている意識を忘れることと、皆が責めているから、自分も責めていいとなりやすいこと。

SNSは、個人の意見を手軽に相手に届けられるところだ。
現実世界では知り合わない人に対しても、気軽に返信できる。

あなたは、自分の意見を言っているだけかもしれない。

だが、あなたが怒っているとき、同じような気持ちを抱えている人が大勢いる。

個人で意見を言っているはずだったのが、気づいたら数百人・数万人が一人を攻撃している状態になっており、あなたもその中に含まれる。

更に人数が増えると、「この人は責めてもいい」という誤った認識を持つ人が出てくる。

問題発言をした人の過去のツイートを調べ上げて、他の発言や個人情報まで拡散される。その間に、自分のイライラを誰かにぶつけたいひとからもリプが止まらず、アカウント停止に追い込まれる。

最後にもう一度、考えて欲しい。
あなたは覚悟を持って、「善意のクソリプ」を送っていますか?


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