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「日本の水産業①」資源管理について

本記事では日本の水産業の問題点、改善案について出来るだけわかりやすく、簡潔に語る。ぜひ最後まで読んでほしい。

1.水産業の問題点

現在の水産業の課題は水産物資源の大幅減少である。

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グラフを見ていただけるとわかる通り、漁獲量はピーク時の1282万トンから右肩下がりで、現在は3分の1の442万トンまで減少している。(2018年)
これが日本の水産業の課題であります。

小話:
単純計算で、1万トンは22億円の利益を生み出します。
参考文献:
・日本の水産業の今
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/30hakusyo_info/
・水産業が直面している問題とは?
https://onokuru.com/2020/06/10/%E6%B0%B4%E7%94%A3%E6%A5%AD%E3%81%8C%E7%9B%B4%E9%9D%A2%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F/


2.なぜ水産資源は大幅減少したのか。

なぜ水産資源は大幅減少したのか?
水産資源の減少は、資源管理の不備によって起こりました。

資源管理というのは要するに、「捕る数を制限して、次に捕る分を残しておこう」みたいな感じで、持続可能な資源を目指すうえで、このような資源の統制、管理は欠かせません。
しかし、資源管理を水産庁は実質的に行いませんでした。

そうすると漁業者による魚の乱獲が起きました。
日本の漁業は、漁場ごとに捕る量を決めており、この制度は早い者勝ちで、後から来た漁業者は利益が少ない稚魚などを捕ることにより、全体的な水産資源は少なくなっていきました。要は、資源減少は魚の取りすぎが原因です。
裏を返すと、捕る量を厳格に定めれば資源減少を食い止められたということです。これは水産庁も公式に発言しています。なぜ制度施行に移れなかったのかは別で考察しようと思います。

小話:
実際、ノルウェーの水揚げされたサバは、99%が食用であるのに対し、日本で水揚げされたサバは、70%程度しか食用になっていないと言いますので、それだけ小さい魚を捕っていることがわかりますね。
参考文献:
・資源管理の部屋:水産庁
https://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/
・水産政策の改革について:水産庁
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/kaikaku/suisankaikaku.html
・資源管理とは
https://www.pref.mie.lg.jp/SUISAN/HP/38858033607.htm

3.具体的な資源管理制度

では具体的にどのような方法で資源管理をするのか、主な資源管理制度を紹介します。
二つの資源管理制度:
1.漁獲枠
2.個別割り当て制度

主にこの二つが主流です。TACから順に解説します。

1.漁獲枠(TAC)制度

漁獲枠制度、TAC(タック)とは、魚種ごとに漁獲量を定める資源管理制度のことです。水産物が300トンだとすると、100トンまで捕っていいよという風に、資源の減少を防ぐため、科学的根拠に基づき漁獲を制限する方法です。この制度には科学的な資源調査が必要です。科学的な資源調査とは、漁業情報や調査船で資源量を推定することなどです。
その情報を基にTACを設定します。
主に資源減少への対抗策としての制度です。

小話:一応、日本は10年以上前からTAC制度がありましたが、設定された量の3,4倍を捕っていたそうで、有識者会議などで指摘され、ようやくTACが守られるようなってきました。
小話2:漁獲量を減らすと、資源が回復するというのは太平洋側のマサバ資源推移でわかります。東日本大震災が発生し、漁獲圧力が低下したことで、マサバ資源は一時的な急回復を見せました。しかし、漁業が再開されれば再び減少してしまうでしょう。
参考文献:
・TAC制度下の漁業管理https://www.jstage.jst.go.jp/article/jfsr1994/13/2/13_2_77/_pdf
・水産資源の管理と保護について 片野氏 21分~
https://www.youtube.com/watch?v=hqaT3nmK5cs&t=1636s&ab_channel=FNN%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
・(1)我が国周辺の水産資源
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h29_h/trend/1/t1_2_1_1.html

2.個別割り当て(IQ)制度

個別割り当て制度とは、漁船、または漁業者ごとに、漁獲量を厳格に定めることです。この制度があれば、資源の独り占めは無くなり、漁業者は商品価値の低い稚魚や小さい魚は逃がすようになります。
この制度を導入した他国のズワイガニの例では、商品価値が半分程度のメスは逃がすようになり、商品価値の高いオスだけを漁獲するという効率的な漁業に自然に移りました。

世界では、一般的にこの二つの制度により、水産資源管理を行います。
ですが、このようなことをしなかった日本は、上記のような水産資源不足問題が発生しました。
これは、制度が不十分だった農林水産省、水産庁に責任があるでしょう。
参考文献:
水産資源の管理と保護について 片野氏
(リンクは上記)

4.日本の水産資源管理と世界各国の比較

お気づきかと思いますが、世界で水産資源管理をやっていない国を私は聞いたことがありません。中国も2016年からやってますし、ひどい遅れようですよ。まったく、、、ふざけた話だ。
こっから書くのめんどくさいんで、適当に書きますが、おそらくここまで資源管理が進まなかったのは、日本の漁業者が他国に比べ圧倒的に多いからだと考察します。(15万人以上)
水産庁に賄賂やら接待やらで制度施行を遅らせてきたんでしょうね。
実際、これは想像ではなくニュースでもそういう話を聞きましたし。
まあそりゃあ漁獲量を減らしたりしたら、食べられなくなるのは現場の漁業者ですからね。
自分が見たニュースでは、資源管理制度施行をやめてくれと訴えていた漁業者がおり、その人は、クロマグロ漁が制限されたら、借金して作った船や家族を養えなくなるらしいよ。
漁業者が15万人強いるんだからそりゃあそうだよね。
中国は中央が進めたからいいけど、やっぱり従わない違法漁船もいるみたいだし、日本も漁獲枠やIQ(個別割り当て)制度が施行されてきたら、それを守らない違法漁船が出て、ニュースになるんだろうね。
はい。おしまい。

参考文献:
諸外国における資源管理施策についてhttps://www.jfa.maff.go.jp/j/kanri/other/pdf/data4-2.pdf
水産庁幹部に接待要求か。クロマグロ漁をめぐり
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-14/2021101414_01_0.html
ノルウェー式の資源管理は日本の水産資源復活に直結するか?
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/2518?page=3

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とりあえず長引く気がしたので一旦これで公開します、、モチベのためにも良い行動。完全版は随時書こうかなと思います。

by 保守自由党 農林水産部会長 expert C


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