見出し画像

[百頁豆腐]という食品との出会い  

〜台湾でおせちの伊達巻作り〜

台湾の春節は旧暦なので、日本のお正月の頃は街の雰囲気も普段どおりいつの間にかお正月を迎えている感じになってしまいます。

でも、やっぱり年越しや新年のけじめを感じたいと思い、餅をついたり幾らかのおせちを作ったり、年越しそばを食べたりしています。

簡単な煮豆やなます、煮物など手軽に作れるものが中心です。

伊達巻は日本にいる時は卵とはんぺんで手軽なものを作っていたのですが、台湾ではそのはんぺんが手に入らないので、これまでは日本に帰った折に持ち帰ったものを冷凍しておいて使っていました。
昨年末は日本には帰らなかったので今年の正月は伊達巻をどうしたものかと思っていました。

また、1月開催予定の日本の家庭料理教室では台湾の春節も間近なので、日本のおせちのことを取り上げてみようと計画しています。
そのメニューにできたら伊達巻を作れたら良いかなとも考えました。

はんぺんに近いものはないか中国や台湾での暮らしも長い友人にきいてみると、[百頁豆腐]はどうかなとのこと。

[百頁豆腐]初めて耳にする名前です。
早速、買ってみることに。

スーパーの豆腐などの近くの冷蔵の加工品のところに並んでいて、意外と手近にいつでも買える品物でした。
これまでは目に留めていなかったのですね。

私もこれまでスープなどに浮いているものを食べたことがあり、豆腐のようだけど弾力があるし何だろうと思っていましたが、それがどうやら百頁豆腐だったようです。

これがどのような食材なのか
調べてみると、商品を作っている会社や栄養士などの投稿記事が出てきました。

百頁とは中華料理の用語のひとつで、薄い皮状の物が何枚も重ねられている状態を指す。
とか
木綿豆腐を何層にも重ねたものなど。

また、百頁豆腐は豆腐とは別物で油がたくさん入っている、などという記事もたくさん出てきます。

こんなちょっと気になるような、、。

今回しっかり手に取って成分や栄養価などを見てみると、名前は豆腐だけど、、、。

記事の見出しに書かれているのが

百頁豆腐って本物の豆腐じゃないの?全体に油がたっぷり入っているのでしょうか? 「成分が明らかに」

などの標記。

この記事のGoogle翻訳から抜粋してみました。

百頁豆腐はもちもちとした食感でスープをよく吸い込み、角煮や塩唐揚げの屋台で必ず注文する人も多いメニューの一つです。
人々は当初百頁豆腐はとてもヘルシーでカロリーが低いと思っていたが、友人の反応を見て「実はほとんど全部が油だ」と言っているのでショックを受けた、と書いています。

実は、オーソドックスな百頁豆腐は、豆腐を乾いた絹のような形に押し固めて作られており、食べるとフレーク状になっています。

ただし、肉の煮込みとクリスピーチキンの塩煮込みの屋台でよく見られる百頁豆腐は、調味料を多く加えるため伝統的に作られていません。
厳密に言うと豆腐ではなく、大豆、卵白、コーンスターチ、砂糖、食塩その他の原料、魚片に類似した加工食品です。

国立台湾大学の化学工学博士である謝潔陽博士は、かつて百頁豆腐に関連する投稿をFacebookに掲載し、原材料の点から見ると、
百頁豆腐は大豆タンパク質から調製された「還元豆乳」で作られていると述べました。
総合的に言えば、「百頁豆腐は伝統的な豆腐ではないが、変な食べ物でもない」ということです。
さらに、謝潔陽氏は百頁が高カロリー食品と言われる理由についても説明しています。「百頁の独特の味を作り出すために、製造時に油を多く加えるので脂肪分が多く、当然カロリーも高い。また、百頁には穴がたくさんあり、スープを吸収しやすい。これらのスープに塩分が多いと知らず知らずのうちにたくさん塩分も吸収してしまう。
しかし、これで百頁が非常に不健康であると完全に結論付けることはできず、主にその食べ方に関係している。」と述べています。

いかに美味しいものを食べるかと
工夫の末にできたもののようです。


百頁豆腐の成分や特徴をよく知って程よい使い方、食べ方をすればなにも悪いものではなさそうです。


材料表記には
大豆タンパク、植物油、デンプンの他、いろんな調味料も使われていて豆腐とは別物の加工食品であることがわかります。

栄養価は
大豆タンパクが使われているのでタンパク質は木綿豆腐の倍近くあります。脂肪分は植物油が加えられているので17%と多めです。塩分は1〜1.6%。

同じ百頁豆腐でもメーカーによって成分に多少の違いはあるようです。


上の記事に書かれているように、味の染み込みやすいように工夫された大豆製品なのですね。
ベジタリアンの人も多い食生活でしっかりタンパク質をとるための工夫食材なのかもしれません。


実際に買ったものには
加熱してから食べるように、また、
使用法には炒め物、揚げ物、汁物などいろんな料理に使えると書かれています。

触った感じは弾力があります。

汁物や煮物に入れて食べてみた感じはまるで日本のおでんの練り製品という感じです。

こんなことを知った上で

いざ!伊達巻作りに。

袋から出した百頁豆腐
湯葉を固めたような感じもあります。



そして
伊達巻作りに使った結果は?


卵と百頁豆腐、砂糖、酒、みりん、塩少しをミキサーにかけて
オーブンで焼き、巻き簀でしっかり巻いて作ってみると、、。⬇️

厚みがいびつになり形が少しおかしいですが、しっかり伊達巻ができました。
味もなかなか良いです。


この後、少しの出汁と醤油少々、塩はなしなどで試作して、さらに美味しいものができました❗️

実は、この伊達巻、我が家のおせちの後に、大勢の方に食べてもらう機会もありました!

つい先日、いつも通っている樂齢学習のクラスの[歳明けの茶話会]があり、それが、各自料理持ち寄りの行事なのです。
私はこの伊達巻と煮豆を持参しました。
幸い、好評で売れ行き上々でした😊
(このことはまたの機会にアップしたいと思います。)

沢山準備するのに
いびつなものができたりしましたが
こんな感じで持参しました。


今回、伊達巻作りで知った
[百頁豆腐]ですが、
日本では魚のすり身と卵白などで作られた[はんぺん]の大豆タンパク版と思えば良さそうです。(ただ、植物性油脂が加えるられているので脂肪分が多いことを理解する)

台湾には私が手にすることのなかった食材が他にもいろいろありそうです。

中華圏ならではの面白い食材をしっかり手に取ってみようと思い直しています。
(何でも興味があると言いつつ、使ったことのないものにあまり手を出さないという守りの姿勢に入っていたのですね😅)


そして、今月末に予定している
「日本の家庭料理教室」のメニューにもこの伊達巻を加えています。

台湾の食材を使って日本の料理を作る、これが台湾の方たちに喜んでもらえたら嬉しいなと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?