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お茶室でおもうこと

社会人になってから始めた茶道。

そろそろ16年になるけど、実は特に何かを習得できたとも思えない。
お稽古も気合いを入れてないし、何となく気がついたら長年やっていた。
唯一、成長を感じたのは「正座ができるようになった」という事。何せ最初は5分も辛かったから。

そんな私のいい加減な茶道との関わりでも、お茶席に入ると、まるで異世界に旅に出たように思うのです。

音をかんじる

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お茶では水の音がよくなる。熱々の釜にお湯を戻すときの音、抹茶碗にお湯を淹れるときの音。釜と陶器では全然ちがう音の鳴り方がする。

お茶を淹れる人によっても、ぜんぜん違う。
目をつぶってみればよくわかる。丁寧な気持ちで淹れてくれる人は、すごく優しく耳に心地よい。そんな人が点ててくれるお茶席は、高級レストランで食事をする時とは比べ物にならないくらい贅沢な気持ちになれる時間。

心のこもったお茶は、最高。
音を聞くだけで、幸せになれる。

静けさ

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畳の薄暗い部屋の静寂に、水の音だけがひびく。音を合図に、その場所は現実から少し離れた空間になったように思うんです。

普段は意識がいかないけど、虫の音、畳を擦る音、火が熾る音がはっきりと耳に入ってくる。普段の生活では、雑音にかき消されてしまっている音。
お茶室ではすべての音色が調和されて、私を心地よい気持ちにさせてくれる。

明日は、久しぶりにお茶のお稽古。
日常の張りつめた空間から、ちょっと抜け出してきます。




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