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人生で、最強の相棒を得た話

春なんかとうに過ぎて、すっかり夏が顔をのぞかせ始めてきた頃でも、忙しい毎日は相変わらず。生活に楽しみを見つけるために、時には甘いお菓子をつまんだりしてみる。
そんな私だが、先日大きなライフイベントがあった。そう、結婚である。

夫となる人は、飄々としているようで、芯がしっかりとしている。裏を返せば頑固。
人との距離感を掴むのが人一倍上手で、すいすい懐に入っていく。人付き合いが苦手な私からすれば、羨ましいヤツである。
天性の人間好きなのだろう。そして、周りの人間の多くも彼のことを好きになるだろう。彼の優しさに包まれると、まるでおばあちゃん家のベランダで過ごす時間のような、心が解きほぐされていくのだ。
従来の人間好きに加え、気心を許した相手の懐に、まるで既に招待していたかの如く、スタスタと踏み込んでいく彼に目をつけられ、気がつけばすっかり心を許す仲になっていた。

そんな彼に対して初めて結婚を意識したのは、彼のお節介が顔を見せ始めた時だった。付き合い始めて少ししか経っていない中で、私が加入していた保険に興味を持った時だっただろうか。それか、カフェラテに入れていた安い低脂肪乳が見つかった時だったかもしれない。


今ちゃんと保険に入っているのか?なんの補償をつけているんだい?

あっ!それ低脂肪乳だろう!それじゃあ栄養がつかないじゃない。ケチらずに100%牛乳を飲みなさいよ。

客観的に見ても、当事者からしても、口うるさい。最初は「やかましいな」とか、もしかしてモラハラ?なんて思って様子を伺ってみたり。夏のジメジメと同じくらい、野菜の値上がりくらい、無視できないものとなっていったのだ。

しかし不思議なことに、慣れてくると彼が本当の善意でこちらを見てくること、そして所謂「世話焼きが好き」な変わったやつだということがわかった。
調べることを厭わず、真面目に生きるしっかり者の彼と、めんどくさがり屋で適当な反面、心配性でしっかりしたがる私は、ほどなくして自他共に認めるベストコンビへになる。


ところで、皆さんは結婚とは?と問われたら、なんて答えるだろうか。
人生のパートナーを得ること。好きな人と家族になること。その先に、親になることがある人もいるかもしれない。

どれも正しいのだと思う。でも私が特に意識したことは、「家庭の共同経営者になること」だった。家庭経営で大切なことは?困った時に相談しあえること。支え合えること。補あえること。一緒に過ごす時間が楽しいこと。時に意見がぶつかっても、建設的な解決ができること。

そう。私にとって、彼はまさしく理想の「共同経営者」だったのだ。このことに気がついたのと同時に、私の未来図に、1つの大きなピースとして彼が現れるようになった。

困った時は相手を助けたいし、助けを求めるだけの信頼をしている。困ったことがあったときも、一緒に悩んでくれる。
そして、何より大好きで大切で、この人を幸せにするためにも、協力して良い家庭を築きたい。彼となら、できる気がする。

彼は私にとって、大切な人で、かつ最強の相棒だ。例え、時に口うるさく感じたとしても。相棒の性質に、付き合いつつ、逆に面倒を見られつつ、時に緩やかにこの身を任せつつ。そんなパートナーに会えたことは、神様にたくさん感謝をしなければならない。これから少しずつでも、徳を積んで、真面目に生きていきたいと、心にうっすらとだが誓うのだ。

そんなことを考えながら、今日もお気に入りの公園でランチを食べながら、午後の会議での気の抜き方を画策するのであった。

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