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しいたけ占いとソールライター展

今大人気の「しいたけ占い」の2017年下半期の占いが公開された。

しいたけて。と、すこしバカにしながら今年のはじめに2017年上半期の占いを読んでおどろいた。これ、占い?わたしのこと知ってる人が書いたんじゃないの?ていうか、わたしが書いたんじゃないの???と。

まあその当たるとか当たらないとかは各自で確かめていただくとして、わたしがおどろいたのは、しいたけさん(35歳 調子がいいと平井堅似の男性だそうだ)の言葉だ。

たとえば、

2017年の下半期、あなたはただワクワクをする。子どものように夢を追求する。難しいことは「やってみなければわからない」。それでいいです。(2017年下半期 射手座より)

なるほどね、と読み進めるとその先にこうある。

「今まで築いてきた関係性を重視するか」。もしくは「まったくの新規のスタートで、自分の冒険と共にあるものを愛していくか」。それはもうノリです。その時になってみないとわからないから、自分の答えが出るまで両方の可能性に取り組んでみてください。冒険心が勝る人と、「今までの自分の誇り」を重視する人とに同じ射手座でも分かれてくるから。(2017年下半期 射手座より)

ノリかよ!ふたつ真逆だよ!しいたけ、そういうとこだよ!


占星術のことはわからないけれど、星の位置とか距離とかそういうものからなにかを読みとるのだろう。でも、星をどれだけ見ても「ノリです。どっちでもいいです」とはまさか書いていない。それに同じ空(星)が見えている占星術師でも、そうは書かないだろう。

しいたけさんの目に見えているものを、彼がじぶんの言葉にするときに、ものすごい愛が足されている。意味を変えずに、押しつけもせず、否定も脅しもせずに伝えてくれる。だから、読むだけで元気になる。占いが当たるかどうかじゃなくて、「しいたけ、あんなこと言ってたな」とふと思い出して行動が変わったりする。勇気をもらっているとはこのことだなと思う。

ぜひ読んでみてほしい。



そして、時同じくして公開されていたのが「ソール・ライター展」だった。

わたしは写真に詳しくないけれど、ここで見た写真はどれもなんだかすごかった。60年も前に撮られた作品から、彼がなにが好きなのかが伝わってきた。

靴、帽子、傘、鏡、ガラスの反射、雨、雪、ネオン、覗き見、そして恋人。

人やモノを撮っているのではなく、世界をすきなものを中心に切り取っていた。彼の目にはこう映っていたのだな、いつも世界をのぞき見ている感覚だったのだろうなということがありありとわかった。

現代の東京を彼が見たら、いったいどう見えるんだろうかと想像すると、わたしと同じ時間に同じ場所で同じものを見ていても、きっと彼の目は驚くほどちがう切り取りかたをするだろうなと思う。


しいたけ占いとソール・ライター展。
このふたつを同じ週に見て、世界をみる目と、切り取りかたと、外に出す方法についてグッと考えさせられた。

星を見ても、ニューヨークの日常を見ても、インターネットの記事を読んでも、子供と話をしても、どこにいてもなにをしていても、それをどう見るかを自分で決めていい。すきな部分で切り取っていい。人に見せても伝えてもいいし、しなくてもいい。

通勤路を地獄への道、会社はイヤなところ、仕事はガマンすること、と見るのもいいが、それはそう見ると自分で決めていることなのだ。もちろん行動も。


しいたけ占いの解釈も、光をあてた裏には影があるのだろうし、ソール・ライターの切り取り力も、切り取り除かれた側にも世界は続いている。自分では変えることのできないことは山ほどある。それでも、なにをどう見てどう捉えるかは自分で決めるのだという気持ちでいっぱいになった。

自由って、世界をどう見るか、すべて自分で決めていいってことだよね。

わたしは先週、あらためてそう思った。



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桜林 直子(サクちゃん)
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