季節は廻り、時は流れる☆ イマソラ俳句からの白杯
~白杯への三句~
かはたれの雲貫きたる月光
秒針の壊れた時計月渡る
ジャングルジムの空に桜の紅葉
かわたれのくもつらぬきたるげっこう 季語:月光
びょうしんのこわれたとけいつきわたる 季語:月渡る
ジャングルジムのそらにさくらのもみじ 季語:桜の紅葉(桜紅葉)
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ジャングルジムに最後に登ったのはいつのことだったか。
これが最後になるとは思わずに、終わってしまったものって
きっといくつもあるんだろうな。
どれも何てことはない日常の場面だけれど、
その「日常」も、ずっと同じことの繰り返しではないという
当然のことに、子どもと接しているとよく気づかせられる。
それに庭に咲く雑草と呼ばれるような草花でさえ、
毎年少しずつ種類が変わっていて
草取りをしながら感心してしまう。
ところで、ジャングルジムで記念写真を撮ることって定番なのだろうか。
娘の卒園式の時、オシャレなママが
「みんなでジャングルジムで撮ろうよ!」と呼び掛けてくれて、
「へえ!オシャレな人はやることもオシャレだね♪」なんて思ってたけれど、
小学校へ入学してからも学校通信に載せるクラス写真が
ジャングルジムで子供たちそれぞれに好きな場所にいるものだったので、
これは定番なのかなと(笑)。
息子も今年、年長。
帰りに迎えに行くと遊び足りないとばかりに、決まってジャングルジムへ走っていく。
園のジャングルジムは年齢によって登れる場所が決まっていて、
年少は登ることはできず、下を歩くいてくぐるだけ。
年中は中段まで。
年長は一番上まで。
『てっぺん』は憧れの場所。
年長になってから嬉しそうに、慎重にゆっくりと
上の部分へ登れるようになり、
「ねえ!見て見て!」と今では毎日てっぺんまで登っていく。
先日ふと、ジャングルジムのてっぺんにいる子どもの上に
桜の木の紅葉が始まっているのが目に留まった。
俳句を始めて「桜紅葉」という素敵な季語を知り、
桜が他の木に比べて紅葉が早いことも知り、
黄色に変わり始めたその葉っぱを見て、ああなるほど!と。
それと同時に、もうこのジャングルジムの上に桜を見ることはないのだなと気づく。
紅葉がすべて散り、蕾が出てくる頃に卒園するんだな・・・。
季語を知ったおかげで、時間の流れを意識し、
何てことはない「日常」に色がのせられていく。
「最後がいつだったか」なんて覚えていなくても
場面が鮮やかに思い出されるような。
俳句がこんなにも「変わりゆく、何てことはない日常」に寄り添ってくれるなんて、
思ってもみなかった。
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