佐藤輝明選手の長所と弱点

オープン戦で最も注目を集めたルーキーと言えば、阪神の佐藤輝明選手だと思います。なんとオープン戦だけで6本塁打ドラフト制度が始まって以来1番の記録とその活躍は目を見張るものがありますね。
阪神としては大山選手に続く生え抜きスラッガーということで、ファンの期待も非常に大きいものとなっているのではないでしょうか。
個人的もこれだけの打棒を見せた佐藤選手を分析したくなったのでスポナビさんのデータから様々な面で分析をし、どこがよいのか、そしてどこを他球団はついてくるような弱点なのかをまとめてみました。

1. 佐藤選手の概要成績

長所と弱点を確認する前にまずは佐藤選手の概要成績を見てみましょう。
打率をはじめとした佐藤選手の成績は以下の通りです。

打席数  45
打率  .302
本塁打   6
打点    9
三振  14
四死球   2
出塁率 .333
長打率 .744
OPS  1.078
三振率  31.1%
四球率    4.4%


打率は3割を超え、長打率はなんと7割を超える抜群の長打力を誇っています。この長打率は全盛期の王貞治さんと同等以上の数値で打席数が少ないとはいえいかに隔絶した長打力を持っているのかよくわかりますね。
ただその反面三振率が非常に高く、四球率も低いなどアプローチについては弱点があるように思われます。

それでは以上を踏まえた上でより詳細に佐藤選手の長所・弱点を見ていきましょう。

2. 佐藤選手の長所

佐藤選手の長所は以下の3つになります。
①圧倒的なパワーを持っている
②直球系のボールに強い
③打球方向に偏りがない


まず①の「圧倒的なパワーを持っている」ですが、それを示すために「打球内野率」というものを見てきたいと思います。
打球内野率とはその名の通り打球が内野にいった割合のことで、例えば大山選手のようなパワーヒッターであれば割合は低くなり糸原選手のようなゴロヒッターは高くなります。オープン戦での平均値は45%ほどでした。
では実際に佐藤選手の打球内野率はいかほどだったのか、
なんと17.9%と打球の80%以上を外野に飛ばすことができていたのです。
この数値は阪神を代表するパワーヒッターである大山選手(36.4%)と比較しても圧倒的で、いかにボールを遠くに飛ばす能力に長けているかを示唆しています。

次に②の「直球系のボールに強い」についてです。
佐藤選手はオープン戦で6本の本塁打を放ちましたがその内訳は
ストレート 5本
シュート  1本

といづれも直球系を捉えたものでした。他にカットボールに対してもヒットを放つなど直球系には非常に素晴らしい対応力を発揮しています。
さきほど紹介した打球内野率で見てみても、直球系(ストレート・カットボール・シュート)を打った16個の打球うち、内野にとんだ打球は1球だけと直球系の球に対しては捉えて長打にする能力をより十全に発揮するようです。

最後に③の「打球方向に偏りがない」についてです。
佐藤選手は非常に多くの本塁打を放っているためついプルヒッターかと思ってしまいますが、実際のところ
レフト  36%
センター 29%
ライト  34%
いづれの打球方向にも飛ばしておりただ引っ張るだけの打者ではないことがわかります。
ヒットになった打球もライト方向よりもレフト方向の方が多く、広角に打ち分けられる高い技術を持った選手といえるでしょう。

3. 佐藤選手の弱点

さて、ここまでは佐藤選手の長所について紹介してきました。ただ実践においては相手も佐藤選手の長所を発揮させないよう多くの手を打ってくることが予想されます。
ではどういったところが佐藤選手の弱点なのでしょうか?
データで見ていくと大きく分けて以下の2つの弱点が発見されました。
①ボール球スイング率が高い
②落ちる球に弱い
       1つずつ見てきましょう。

まず①の「ボール球スイング率が高い」ですが、これはそのままでボール球に手を出す割合が高いということです。平均よりも8%ほど高く出てしまいました。基本的にボール球を打った打球は弱くなり、ヒットや長打が出にくくなるという特徴があります。
佐藤選手はオープン戦で13本のヒットを放ちましたが、そのすべてがストライクゾーンに来た球をはじき返したもので決して悪球打ちな選手ではありません。
今後もボール球を打ってしまっては打球が死んでしまい、佐藤選手の自慢の長打力も陰ってしまいます。そのためできるだけ早くボール球を振らない選球眼を見につけていきたいところです。

次に②の「落ちる球に弱い」についてです。これはフォーク・チェンジアップ・シンカーに弱いということを示しています。
佐藤選手は13本ものヒットを放ちましたがこの3球種に対しては1本もヒットを打てず空振りも多く喫するなどかなりの苦戦を強いられました。
もちろん多くの打者もこれらの球種には苦戦する傾向がありますが弱点があるとわかればそこをついてくるプロ野球、やはり早めに対処をしていき変に打撃を崩してしまうことをさけたいところです。

以下に今回使用したデータを置いておきます。
もし興味があれば見てみてください。

画像1

まとめと予想

最後に佐藤選手の打撃についてまとめていきましょう。
佐藤選手の長所は
①圧倒的なパワーを持っている
②直球系のボールに強い
③打球方向に偏りがない
と③以外は外国人選手のような特徴を持っていることが特徴です。
逆に弱点は
①ボール球スイング率が高い
②落ちる球に弱い

とこれまた外国人選手っぽい弱点を持っています。

あくまで私の予想ですが、シーズンが入れば弱点の落ちる球でこれでもかとボール球攻めを強いられると思います。
佐藤選手が活躍できるかどうかはそこで我慢しきれるかがポイントで、我慢できなけば1年目の大山選手ほどの成績に落ち着くと思われます(それでもルーキーとしては破格です)が、もし我慢できればルーキーとしてだけでなくプロ野球選手として破格の長打力を保持している佐藤選手のことです。20本以上の本塁打も期待できるのではないでしょうか。
まずは序盤に爆発してレギュラーの座をつかみ取っていきたいですね。


それでは本日のnoteは以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。(*- -)(*_ _)ペコリ
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それでは、( ´Д`)ノ~バイバイ。

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