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コンフォートゾーンの外
今日はすっごくいい日だった!!!
これまで
研究がずっとしんどかった。
1つの問題を解決したと思ったらまた別のトラブルが発生し、装置の再現性は低く、先生に質問するのも、自分の主張の誤りを指摘されるのも怖い。
どうやら俺は人に頼るのが苦手なようで、「これくらい自分で理解/解決しなきゃ」と抱え込み、結果的になんの成果も出ないまま時間だけが過ぎていく。
人類の誰かが既に見つけた事実や、生み出した理論やモデルを学ぶ「勉強」は楽しいし好きだけど、まだ誰もわからないことを「研究」して、自分で解明するなんて、そんな大それたこと、どうすればいいかわからない。
不安で胃が痛い。ひとりでいるときは(たまに人前でもうっかり)度々「死にてえ」という呟きが口から漏れ、毎朝行きたくないなあと思いながら力を振り絞って布団から起き上がる。夜中に帰宅し、晩飯を用意する気力もなく空腹のまま布団に倒れる。
今日
今日は共同プロジェクトの予備実験を行うために、外部から先生方がやってきた。成り行きで俺はその手伝いに駆り出されることになったが、結果としてこれはとてつもない幸運だった。
どういう結果が得られるか、そもそもどうすれば見たい結果が得られるかわからないのは、俺だけじゃなかった。わからないのは先生方も同じだった。でも、検討もつかない俺とは違って、彼らは「仮説」を持っていた。
「わからない」「うまくいかない」が怖くて不安な俺とは対照的に、先生たちは、「わからない」「うまくいかない」に対してポジティブだった。
これが駄目なら、この方法はどうか。まずはこれを試してみよう。〇〇先生に聞いてみたらどうか。□□を使えばいいかもしれない。
先生方の試行錯誤や考察を近くで観察していて、あ、研究って、実験ってそうやって進めればいいのか、と納得した。
☆ * ★ ☆ * ★ ☆ * ★
雑談で、先生のひとりに「研究が不安で胃が痛いんです」という話をしたら、「研究なんて楽勝ですよ」と答えてくれた。
研究は仮説を検証するプロジェクト。仮説を立てて、それを検証するための実験方法・実験装置を設計して、実験してみて、仮説を更新して、それを検証…の繰り返し。私達は特別なことをやってるわけじゃないんです。
俺は「研究」という言葉に対してアレルギーがあったのかもしれない。仮説検証プロジェクトと言われればできる気がしてきた。
指導教員に、「先生方のお手伝いをさせていただいたおかげで勉強になりました。初めて、研究が楽しいと思えました」と報告すると、「今まで楽しくなかったのか」と言いながらも、彼は喜んでくれた。
これから
どこから手を付ければいいかまったく検討もつかなかった研究を、どうやって進めていけばいいのかという光が見えた。
他者と協力して、プロジェクトを前に進める力は、卒業後の職業人生でも不可欠だ。あと半年、研究というプロジェクトから逃げずに向き合って、自分で仮説検証を積み重ねたい。
わからないなりにやってみることが大切。次に何をやればいいかが見えてくる。
あと、ひとりで抱えるのをやめる。わからないことは聞く。人を頼ることも大切。
コンフォートゾーンの外を恐れない。自らの無知を認めることは成長への第一歩。
苦しみながら、卒業のためにイヤイヤ研究するんじゃなくて、ポジティブな先生方のように研究を楽しめるようになりたい。
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