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年を重ねる、人と家

訪問看護の仕事をしていると、たくさんのお宅にお邪魔する。

一軒家でも、団地でも、家には個性がでると思っている。

モデルルームのように綺麗に片付けているお家もあれば、体の向きを考えながら移動するような物の多いお宅もある。

片付いているお家は、片付いた部屋にいることが、自分を保つ目安になっている気もする。
「調子が悪くて、片付けられない」ということはありえないというような、窮屈さも感じる。

ものが多いお家は、手に届くところにものをあえて配置しているようなこだわりもある。思い出の中で過ごす基地のような佇まい。

年を重ねると、体はどうしても衰えていくものなのだ…と、子育てや家事がままならないときは私でさえ思う。

二回りも年が違うような、人生の先輩達は、よりいっそう感じるものなのだろう。
「あなたもこの年になったらわかるわよ」と言われると、言葉につまる。

それでも、家は変化したり、ずっと同じであったりしながら、その方と一緒に歩んでいる。

団地のお宅の裸電球やはげかかった木目には、行き届いた掃除をしていた昔の様子や、重ねた年月に、味わいが浮かぶ。

そんな歩みを、こっそり感じられる、
やっぱり、訪問は面白い。

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