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中古の楽譜と、ありがとうを伝えてみると。
嬉しい気持ちを、あえて言葉にする。
ちょっと勇気がいるけれど、じーんとくることもあったりして。
例えば、日常のちょっとしたやり取りでも。
久々にエレクトーンを弾いた帰り道。
ふと、子どもの頃。レッスンで習った曲が弾きたくなってきました。
あの時は、地味だなと思っていた教本。
でも、時が経っても弾きたくなるのは、選ばれし曲を載せた、さすが教本。
早速、大きめの本屋さんへ行ったものの、エレクトーンの楽譜が見当たらない。
何度も行ったり来たりして、やっと見つけたコーナーは、もの寂しい装い。
サックスやフルートにまで、陳列面積で負けている。
当然、数十年前の教本はあるワケもなし。
でも、諦めきれず中古を探してみたところ、
一件だけ見つかりました。
即購入、即開封!
思い出されるのは、いい気分で弾いていたあの日や、むしゃくしゃするままに弾いたあの日のこと。
楽譜だけでなく、思い出を買うっていいなぁ。
あ、せっかくだから…と、その気持ちをお礼のコメントに書いてみました。
「売れればなんでもいい」と思う派の人だったら、温度差があって恥ずかしいな…と思いつつ、
「探していたものだったので、とても嬉しかったです」と、控えめに。
数日経って、その方からコメントがありました。
「エレクトーン人口が激減するなかで、譜面が受け継がれていくのは、嬉しいです」と。
私だけでなく、相手の方も嬉しいと感じてくれていた。
コメントだけのやり取りで、しかも、中古という低い価格の場で。
使っていた人の思いも継いでいけるって、中古だからこその味。
値段が価値とは言い切れないって、こういうことなのかな?
奥が深い。
「ありがとう、嬉しい」と伝えることは、なんだかオーバーで、嘘くさく、媚びてる気もしていました。
自分だけがグイグイ行って、相手に一歩引かれるのが怖かったのかも。
それでも、表向きだけではない言葉をもらって、モノ以上に心にグッとくるものがありました。
素直な気持ちを言葉にするだけでもいいんだな、きっと。
あえて、言葉にしたことが、波紋のように広がっていく。
大げさにしなくても、小さい石をそっと投げてみるだけでも、いいかもね。
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