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象徴的解釈:天秤座2度のサビアンシンボル

Libra 2:The light of the sixth race transmuted to the seventh.
《日本語訳》6番目の人類の光が7番目の人類の光に変容する。


天秤座2度の意味

  • 魂の向上・霊的進化への願望

  • 人間性の追求

天秤座2度の解説

象徴の解説:「6番目の人類」と「7番目の人類」とは

「race」は一般的に「人種」や「部族」と訳され、皮膚や毛髪など外見上の違いや文化・言語の違いを想起させます。しかし、天秤座2度で意味する「race」は神秘主義・オカルト主義における概念的な分類であることから、「人類」という言葉が相応しいと判断し、「race=人類」と訳しています。

天秤座2度に登場する6番目の人類と7番目の人類は、ヘレナ・P・ブラヴァツキーが提唱した「root race(=根源人類)」と推測されます。
彼女の理論によれば、肉体を持たない霊的存在だった人間は、物質界にとらわれて霊的性質を退化させて類人猿となりましたが、いくつかの過程を経て再び霊性を進化させ、最終的には偉大な魂の境地に至るのだそうです。

この進化の周期は7つに分けられ、各周期に登場する人類は「第1根源人類」「第2根源人類」のように名付けられました。各根源人類には枝分かれした亜人類があり、そこからさらに枝分かれしたグループもあります。
アリス・ベイリーやルドルフ・シュタイナーも根源人類の概念を継承し、細部は異なるものの、いずれも第7根源人類で霊的進化が完成する点は共通しています。彼らの理論によれば、現代に生きる私たちは第5根源人類に相当するようです。

象徴の解説:「光の変容」は霊的進化を表す

象徴としてみた場合、「光」は神性・霊的生活・清浄・知性・進化などを表します。この光はチャクラが放つ光であると同時に、アリス・ベイリーが系統立てた「7つの光線」をさしていると考えられます。

アリス・ベイリーは根源人類とチャクラ(=エネルギー・センター)を関連づけました。彼女の理論によれば、第6根源人類で喉・眉間・頭頂部のチャクラが活性化し、進化の最終段階を迎えた第7根源人類では、先述した3つのチャクラのうち、いずれかが中心になって働くそうです。

彼女の理論は複雑で、天秤座2度に登場する光の詳細(変容の詳細)を追うことは、困難を伴います。なぜなら、各根源人類とチャクラの光を1対1でわかりやすく結び付けているわけではないからです。また、ヘレナ・P・ブラヴァツキーやルドルフ・シュタイナーと同様、彼女が考え出した独創的な理論であり、真偽を証明することはおそらく誰もできないでしょう。

ここでは文字通り第6根源人類の光から第7根源人類の光に変容した、という捉え方にとどめておくことにします。霊的進化の最終段階で重要なことが「光の変容」という現象自そのものにあるとすれば、光の色や性質がどのように変容するのかを深く追う必要はないからです。

天秤座サインに潜在する、霊的進化への願望

私の解釈では、2度はそのサインに内在する根源的な性質や要素を表し、そのサインの思考や行動の源泉となります。根源人類の概念を当てはめると、天秤座2度に示されているのは霊的進化の最終段階です。

天秤座サインの場合、「精神性を高めたい」「高次元の自分と出会いたい」という願望が根源にあり、それが6番目の人類から7番目の人類へ変容する様子に象徴されていると考えられます。この願望が「根源人類」という概念を通じて示されているのは、後述する、風サインに特徴的な論理的アプローチに由来します。

論理的なアプローチで魂の在り方を理解する

魂のように、見たり触れたりすることができない概念に対するアプローチは、サインのエレメントによって異なります。
水サインが概念をあるがまま感じるのに対し、風サインは論理的なアプローチによって理解しようとします。見ることも触れることもできない概念は、言語によって形象が与えられ、理論によって骨格が作られます。それまでぼんやりしていた概念は、形を持つことで全体像が把握しやすくなるのです。
一方、火サインは自身の内部に燃える魂のエネルギーを本能的に実感し、地サインは感覚や肉体を通じて、根源にある魂の存在を体感するでしょう。

私の解釈では、基本的性質を示す天秤座1度に「肉体と魂の調和」や「魂の変容」を示す象徴が登場していると考えます。その流れで考えると、天秤座サインはさまざまな意味において、「(個人ではなく全体としての)人間性の追求」というテーマを背負っていると考えられます。

天秤座サインはスピリチュアル、ヒーリング、宇宙エネルギー、ハイヤーセルフといった言葉に敏感かもしれません。しかし、情緒的な共感や宗教的な信仰を欲しているわけではなく、(人間としての)理想の追求と実践を目的としています。実生活においてその精神性は「善と美の実現」、つまり「人間として、よりよく生きる」ことを目標として発揮され、公平性や社交性といった性質にも示されることになるでしょう。

image photo : by prettysleepy1(pixabay)

サビアンシンボルの解釈について

当記事の内容は、サビアンシンボルを考案したマーク・エドモンド・ジョーンズやサビアンシンボルの解釈を著したディーン・ルディアの解釈とは異なります。サビアンシンボルに登場する要素を象徴として扱い、象徴が意味する内容に基づいた独自の解釈を行っています。

天秤座のサビアンシンボル一覧

象徴的解釈:天秤座1度のサビアンシンボル
象徴的解釈:天秤座2度のサビアンシンボル
象徴的解釈:天秤座3度のサビアンシンボル
象徴的解釈:天秤座4度のサビアンシンボル

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