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言語化できない関係性を読みたい 2020-9-17

六時起き生活四日目。余りにも眠かったので朝気が付いたら電車に乗っていた。自動操縦というかルーティーンの傀儡のような目覚め。


今日は体育しかなかったのでたった20~30分の運動のためだけにわざわざ六時に起きて登校したことになる。なんで?

シャトルランを久しぶりにやったけど全っ然走れなくてびっくりした。
35回位しか出来なくて、多分クラスで一番早く脱落したんじゃないかな。
最近ずっと遠隔授業とかで外出てなかったからな~。


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読んだ。
救いがあるようなないような。

『変身』、ちゃんと読んだことはないけどネットで見たとか授業でちょっと読んだとかって人は多いよな。
自分も結構前からあらすじを知ってはいたけど初めて全部読んだ。

簡単にまとめるとグレーゴル=ザムザという青年がある日突然毒虫になってしまい、家族に疎まれひっそりと死んでいく。といった感じの内容。

最初は毒虫になったグレーゴルのおぞましい姿に戸惑いつつも丁寧に世話をし、コミュニケーションを取ろうとさえしてくれていた妹たちの心が、言葉も交わせず行動の意図も十分に汲み取れないグレーゴルから段々と離れていく過程を淡々と生々しく描いていて、ぞっとした。

また、グレーゴルが表にこそ出せないが人の心を捨てずにいると思っているのに行動の指針がじわりじわりと変化し、家族の感情や思考に寄りそうことが少なくなっていく描写も明言こそされないが確かにあり、いずれは完全に虫になってしまったのだろうと思うに十分だった。

結局最後までグレーゴルが家族と理解しあうことはなく、家族がグレーゴルを見捨て、手放そうと決意したところで数々の負傷や飢餓で衰弱していたグレーゴルは死に至る。
その死体を見て、家族はひとしきり涙を流した後先に進もうと決意をする。
肩の荷が下りたようなすがすがしい気持ちで。

浅いところから言うとザムザがひたすらに可哀想だった。
実際人ほどの大きさの虫がいたらそりゃそうなのだが、一切意思疎通を図ることが出来ず、なんならみんな姿を見るだけで部屋を飛び出したり失神したりする。
ちょっと部屋の外に出れば物を投げつけてでも部屋に押し戻される。

ただ家族が冷酷なわけではないし、そう言った行動をとるのも理解はできる。
さっきも書いてるけどでっけ~虫がいたらそりゃ気持ち悪いから部屋から出てこないでほしい。
むしろその気持ちを押し殺して部屋の掃除をしたりコミュニケーションを取ろうとしていたことを誉めたいくらいだ。

なんか長ったらしい割によくわからない感じになった。
まとめると、グレーゴルに一切の救いはなく、孤独や家族への謝意などをいっぱいに湛えて死んでいく。
ただ家族はグレーゴルの死を悼みつつも前を向いて生きていこうと決意をする。グレーゴルも家族のことをずっと心配していたのできっとその一点がこの物語の救いと言えるだろう。

グレーゴルと意思疎通がまったく図れないのが良かった。いや良くはないんだけど。
グレーゴルも家族に意思を伝えようといろんな手を講じるんだけど、全て気味悪がられるだけに終わり、一切伝わらない。
実際そうだろうな~という感じ。
可哀想だし見てられないくらいの感じなんだけど、文章に感情が乗らず淡々と進むのでするりと飲み込むことができた。
こういう不条理物は結構好きなのでカフカの別の本も読んでみたいな。


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ずっと前から予約してたけどついに届いた。楽しみ~~。

この人の本も結構不条理だったり救いが少ないところがあるけど面白い。
男主人公が総じて「世界を一歩引いた視点から見てます」みたいな感じなのがいい。嫌なオタクみたいで。

『君の膵臓をたべたい』とか結構恋愛物みたいな扱いを受ける(映画化してから多くなったような気がする)けど、この人の書く男女の関係ってそういうのじゃないんだよな~と毎回思ってもやもやする。
羨望とか偶像崇拝みたいなものかな。う~ん。
恋愛感情とかは一切持っていない(少しは意識しているかもしれないが)んだけど、どこか人間として惹かれている。みたいな感じ?違うな

うまく言葉にはできないけどとにかく恋愛ではないんだ。
自分が国語教師なら登場人物の心情に恋愛感情を当てはめた学生を迷わず退学にするだろう。

そんな関係性をずっと描いてきた作者が今回はちゃんと恋愛を描いたらしいので、一体どうなるのかとても楽しみ。どんな関係性になるんだろう。

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あ、あああぁ~~~~~...。
この本はTHE BACK HORNとのコラボ的な面があって、CDが封入されていたんだけど、ほんの一番最後のページに糊付けされていた。
それが一番確実なのはわかるんだけど、こうされちゃうとうまく剥がせないんだよな。
もうちょっといい方法はないのか?ケース入りじゃないからCDの管理も難しいし。

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表紙イラストいいな~~~~。空気感がいい。

CD聞いているけどいい感じ。THE BACK HORNって結構ゴリゴリのロックバンドだと思ってたんだけどそういうわけじゃないのかな。ピアノとか入っててすごい綺麗な音だ。本の雰囲気に合わせてるのかもしれないけど。

小説にCDが封入されてるの、読書と音楽好きにはたまらないですね。
こういう形式増えてくれ...



ちょっとだけ読み進めてから寝ます。明日明後日あたり感想は書けるかな。
今日はここまで。

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