ウイスキーを女性に喩えるシリーズ #11(ラフロイグ 10年)
『アーティストたる人格』
彼女を一言で表すとすれば、「我が道を行く」タイプだ。
個性というのは、強ければ強いほど好き嫌いが分かれるものである。
そして、彼女の印象も賛否両論。
苦手なひとからすれば、近寄ることさえも毛嫌いされる。
しかし、彼女には中毒性のある強烈な魅力がある。
たとえ反感をもつひとがいたとしても、彼女を取り巻く大勢のファン(一種の信者ともいえよう)たちが鉄壁の防御力をもって、それらの喧騒をかるく跳ね返してしまうだろう。
一線を超えたアーティストというのは、こういうものなのだ。
狂気ともいえる信者を取り巻いて、キリストのごとく、民衆を光へと導く力をもった存在。
「カリスマ性」とでもいうのだろう。
誇り高く、他の追随を許さない。
というか、そもそも彼女は他人というものに興味がない。
加えて彼女自身、自分に熱狂的な信者がついていることさえもほとんど気に留めていないだろう。
だから、「外部に影響される」ということがまるでない。
これまでに歩んできた道が、いま立っている場所が、進もうとしている方向が、「たまたま」周囲に影響を与えてしまっているだけである。
好きか、嫌いか。
そのサイコロを振っていずれの目が出たとしても、「記憶に残ってしまう」ことだけは確かだ。
それが、彼女のアーティストたる由縁なのである。
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あなたにこのアートが理解できるかしら。
ラフロイグ 10年。