そー言えば、私は
今日は色々あって終わらせた課題が正当に先生に評価されて嬉しかった。
文章を書く課題で褒められるのはやはり気分が良い、深夜まで取り組んだ甲斐があるというものだ。
因みに課題に追われていた時、つまり二日前の私は気が狂ったのか餃子を作っていた。さばみそは精神的に追い込まれると手のかかる料理をしてしまう生態がある。時に天丼、時にコロッケ、そしてその日は餃子だった。
「餃子が食いたい?冷食でいいじゃん」と言う母の正論を振り切った11時頃の買い物終わり、冷蔵庫には餃子の皮とひき肉が安らかに眠っていた。
13時頃、家に帰ってチョロっと筆を進めても一切やる気が起きないいつぞやの手書きの課題、別に文を書くのは嫌いじゃないのに、やっぱり自分の時間を支配されている気がして意識が散漫になる。私の2~3時間程度、何の価値も無いというのに。
そして18時頃、さばみその手にはペンではなく包丁が、机の上には原稿ではなく、まな板とその上には刻まれたキャベツが広がっていた。
餃子の皮にひき肉とキャベツの他に酒と醤油、塩コショウとニンニクと鶏ガラを加えた手製のタネを入れ、私はひたすらに餃子を一つ一つ作り上げた。その数50個。せっかくだから羽根つきにした。
そろそろ趣味に料理/日記を入れても良いんじゃないか?とつけ上がっている中、ふと私のこの趣味のルーツはどこだったかと疑問に思った。
どうして僕は料理が好きなんだろう?
どうして文を考えるのが好きなんだろうか?
じいっと自分の作った餃子を見つめる。何かが頭をよぎる。
それは中学時代、youtubeで見たgenの本棚食堂さんの餃子を作る動画だった、概要欄には彼が書いた餃子に関する短編小説も載せてあって、当時の僕からしたらそれは衝撃的だった。まだ幼かった僕に言わせれば、彼の才能はとにかく羨ましかった。
そー言えば、私はあれで料理と文学に興味を持ったんだ。スッキリした。思い出せてよかった。
現在の本棚食堂氏はチャンネル名を変え、Genの炊事場 SUIJIBAになっている。変わる前の名前を知っているのはなんだか古参みたいで嬉しかったりする。
そして今に至る。まさかこんな形で自分の原点を思い出すことになるとは思わなかった。しばらく見ていなかったGenさんは、タコスを作っていたり戦後の食事を再現していたりと、あの頃もそうだけど随分とまぁ、届かない場所にいる。だがそれでも妬ましく感じないのは、それだけ私が成長したんだと、思う事にした。
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