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アニメの良いトコ悪いトコ#1 -機動戦士ガンダム水星の魔女第20話「望みの果て」-

機動戦士ガンダム水星の魔女第20話、トリックスター多すぎ問題

・トリックスターとは
 →ジョセフ・キャンベルの神話研究で発見された
  神話のストーリー的共通点をもとにクリストファー・ボグラーが
  映画脚本の方法論へと落とし込んだ「神話の法則」で登場する
  いたずら好きで秩序を乱す役割の者。
  通常はコミック・リリーフとしての役割を持つらしいが、
  ここでは、予測できない行動をする人物のことを指す。
  いや、本来のそれとは区別して「悪いトリックスター」と呼ぼうか。

水星の魔女には予測できない行動をするキャラがたくさんいる。
19話でスレッタの母が悪いトリックスターとなり、
それを受けて20話でシャディク、ノレアが大暴走。
世界は大惨事となり、全く予測ができない。

先の読めない展開!ええやん!

と思うかも知れないが、先が読めなさすぎるのも問題である。
彼らが癇癪を起こせばストーリーの流れをブチ切って悲劇が起こるのだ。
それを見てどう感じるだろう?
もう、何でもありやん…
と感じでしまうと、その先どうなるかの興味は無くなってしまう。
脚本家の気分次第でどうにでもなるのだから。

そうではなくて、キャラクターそれぞれが一定のルールに基づき行動すれば
視聴者はパズルを解くように次の展開を予測、
当然、視聴者の予測を外さなければ「次はどうなる?!」
という興味は継続しないのだが、それがルール内の行動であれば
そっか、そう来たか!
と納得してもらえるだろう。

どんなに難しいパズルでもルールがあってこそ。
ルール無用デタラメなパズル(と呼べるかは不明だが)を
誰が好き好んでやるだろうか?

そして、キャラクターのルールは行動の前に視聴者が
知っていなければならない。
当然、実は隠していましたが設定でこんな事があったので!
と後から言われても、悪いトリックスターとやっていることは変わらない。
キャラクターのルールとは性格や立場の事であり、
(人はそれをキャラクターと呼び、日本語では言葉がループしているが…)
キャラクターがブレないことが良いストーリーを作る条件ではなかろうか?

ただし、ブレないとは変化しないという意味ではなく、
今あるルールからはみ出さないということ。
作中でキャラクターが何らかの影響で変化することは全然アリというか
それこそドラマなので、それはとっても大事な事である。

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