「知識欲のある自分」がみんな好き

伊藤公一朗氏の「データ分析の力 因果関係に迫る思考法」を読んだ。


本書、大学の講義や著名人のブログでも度々登場し、「データ分析という一見難しそうな領域を非常にわかりやすく解説してくれる一冊」として紹介されていて、気になっていたのだ。


感想

「データ分析、おもしろい!!」

その一言!



根っからの数学嫌い、ザ・文系の私自身が、

「RDデザインの仮定」

だの

「パネル・データ分析」

の話をスラスラと理解できる分かりやすい具体例の数々。

適切なデータ分析活用は、もっと政策や企業戦略を狙い通りに国民、そして消費者に届けるのに役立つよ!と。
根拠のない挑戦、まあそれも時には素敵だけど、もしかしたらあなたの仮説とは全然違う、予想もしなかった結果が数値としてみえてくるかもしれない。
シビアに数字と向き合って、より良い施行法を模索するのはどうかい?と。


あまりに分かりやすいしさらっと読めるので、
今日は本著で気になったあるトピックについて。


それは

やっぱり人間「知識欲のある自分」が好きなんだなあ、ということ。



本書では、オバマ氏が大統領選挙期間中に、より多くの支援者を増やすにはどんなサイトがいいのか?と、行った実験の話が登場するんです。

内容は単純。

選挙の要、支援金をできるだけ多く集めるため、ウェブサイト経由のメーリス加入率を上げたかったオバマ陣営。


メーリス登録は簡単。ウェブサイトのトップに表示される、ボタンをクリックすれば、はい!入力画面へ!


さあ、そのボタンに書かれてたら

「一番押したくなる言葉」は?


オバマ陣営が考えた四つの候補はこちら。

・Sign up(登録しよう)
・Sign up now (今すぐ登録しよう)
・Learn more(もっと知ってみよう)
・Join us now (今すぐ参加しよう)

この四つの言葉が、サイトを訪れた何万人ものアメリカ人の前に、ランダムに表示されたんですね。



で、(タイトルから誰しも予想されたと思いますが)一番国民の反応が良かったのは、

Learn more

だったわけです。(オバマ陣営の当初の予想はJoin us now )

この話を読んで、
ああ、人間て、知識を得ることに喜びを感じる生き物なんだなあ!と
なんか嬉しくなっちゃったのです。

バラク・オバマという人物を、市民は「もっと知りたい」と思った。

いや、全然実はオバマさんは関係なかったのかもしれなくて、

「もっと知りたくない?」

って聞かれたら、人は手を伸ばしたくなっちゃう生き物なんだなあって。

たしかに、本を読んでる自分、難しいこと考えてる自分、好奇心旺盛な自分、挑んでる感じがする。向上心の塊に包まれてる気がする。
そう、努力してる自分のこと、きっとみんな好きなのです。

こういう感覚を、みんなが共有しているというのが現れている、オバマさんのサイトのデータ。
わーなんかとても素敵な結果じゃない?と…

おやすみなさい!

#読書 #読書日記 #伊藤公一朗 #データ分析に関する思考法 #book




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