同期のカターレ #10 「成績不振で監督交代 そこから光も」

2018年。
この年はJ2から群馬が降格。そしてJFLからの昇格チームがなく、今年も全17チームでの戦いだった。
監督は今年も浮氣監督で、去年と同じ監督が指揮をとるのはJ3に落ちて初めてである。
選手は大きく入れ替わった。
DFの要だった平出が鹿児島に移籍し、サイドバックの山形、國吉は引退。ベテランの衛藤、飯田に加えて、チーム生え抜きの木本もとうとう引退。
これでカターレ富山発足当初にいた選手が全員いなくなった。
代わりに藤枝で2桁ゴールを決めていた遠藤、仙台から差波、東京Vから新井瑞希、琉球から才藤、水戸から今瀬などが加入した。
また、チーム初のブラジル人であるルーカス・ダウベルマンも加入し、新しいカターレ富山を見せるはずだった。

開幕戦の琉球戦がこの年を象徴していたのかもしれない。
前半だけで3失点。1点目を取られてから13分間で立て続けに3点を奪われた。
かなり苦しくなったが、才藤のヘディングで1点を返す。
そこから反撃ムードに行きたかったが、直後にまた失点。
その後2点を返したが、結局は4−3で敗れた。

次の藤枝戦は新加入の遠藤のゴールもあり、2−1で勝利。
だが、そこからC大阪U23、FC東京U23と連敗してしまい、次の沼津戦も落とす。
その次のG大阪U23戦は勝ったが、次の相模原戦から今度は4連敗。
この時点で2勝8敗で最下位に転落する。

昇格どころか絶望的な状況になったチームは、ここで監督交代に踏み切る。
神戸などで監督を務めた経験がある安達亮氏に指揮を委ねることにした。

安達監督の初戦は天皇杯の県予選でこれは富山新庄クラブ相手に快勝した。
次はアウェイでの鳥取戦。
ルーカスのゴールで先制し、後半に追いつかれたものの、そこから才藤、椎名のゴールで突き放し、2−3で勝利した。
終盤今瀬のスーパークリアも飛び出した。
次の北九州戦も勝利し、連勝して、その後はうまく行くかと思ったが、そう簡単にはいかない。

続くYS横浜戦は相手に退場者が発生し、2点リードしていたものの同点にされてしまう。
盛岡戦はホームで敗戦、群馬とのアウェイは新加入の木村のゴールで勝利したが、続く長野戦。
0−5の衝撃的なスコアで敗れてしまった。

その後は夏の中断期間を挟んで2勝1分で進んだが、この間に今年の移籍の目玉だったが結果が出せなかった遠藤は藤枝に戻ることになった。
そして去年痛い負けを喫したFC東京U23にまたも敗れてそこから3連敗。
その後、続くYS横浜、相模原には連勝したもののアウェイで盛岡には負けと一進一退は続く。

ただシーズンも終盤になるにつれ、長野には終了間際の苔口のゴールで追いつき、昇格を狙う鹿児島には2−1で逆転勝ち。
苦手の沼津には敗れたものの、最終戦で当たった首位の琉球にはホームで2−1で勝利。
終盤は昇格を決めた鹿児島や琉球にも勝利して、翌年に向けて希望の見える終わり方になった。

シーズン後は、4年間期限付き移籍だった永井が徳島に移籍、主力のボランチだった差波も移籍した。

一方、J2では栃木と岡山が3年ぶりに対戦している。
栃木は序盤、3連敗、しかも12失点という散々なスタートを切った。
2戦目で対戦した岡山対栃木は3−0で岡山が圧勝している。
栃木の方は4節で勝利をあげると徐々にJ2の戦いにも慣れて13節には7位まで上昇した。

ちなみに岡山は開幕3連勝、6試合を終えて5勝1分でその時点では首位に立っていて、13節の段階でも2位につけていた。

しかしその後は両チームとも調子を落とす。
結局、この年の最終順位は岡山が15位、栃木が17位であった。

2018年成績(J2 全22チーム、J3 全17チーム)
富山 11位 12勝4分15敗(J3)
栃木 2位 16勝12分4敗(J3)
岡山 13位 13勝16分13敗(J2)

直接対戦成績
栃木 2敗
岡山 2勝

得点者
前嶋洋太 7点
才藤龍治 6点
佐々木陽次 5点

次回予告
同期のカターレ #11 (最終回) 「逆転昇格はならず 描きたかった結末は来季へ」

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