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たぶん、思っているより強くて弱い

昨日、サカナクションのファンクラブから継続特典が届いた。冊子には、休養中のことを振り返るメンバー5人それぞれのインタビューと、ある一日を切り取った写真たちが収められていて、まだパラパラとしただけだけど、今度じっくり読もうと思う。作りがおしゃれだなぁと思いながら眺めていた。

明日から幕張でツアースタートのところでこのYahooニュース。

「それまで僕はうつ病の人に『心が弱くて苦しんでいる人』というイメージを抱いていたので、自分がそんなふうに思われたら、もうミュージシャンとして終わってしまうんじゃないかとか、自分の音楽の聴かれ方が変わっちゃうんじゃないかといった不安が頭をよぎりました」

「病気を公開しながら、音楽を作っていく」――サカナクション・山口一郎、うつ病との闘い

ここを読んで、「いやいや、わたしの中での一郎くんのイメージって強さと弱さが両極端に振り切ってて生きるのが本当に大変そうな人、なんだが!?」と思った。めっちゃデリケートですやん、と。

別に虚勢を張っている、と言いたいわけではない。ある面ではとても強く、ある面ではとても弱い。とても面倒くさそうで、好きだけど恋愛対象としてお付き合いするのはめちゃくちゃ消耗しそう(偏見でごめんね)

それでもそんな面倒くさいあなたが作る音楽が好きだし、その音楽に救われたと感じる瞬間をたくさん経てきたのよ、わたしも。という思いもあって。

なかなか薬が飲めなかったのも気持ちがわかる気がした。自分が心療内科にかかった時は、本当にそのヒアリングだけで薬出すんか!?それを飲めと!?みたいな気持ちがあったし。そして薬を一度飲み始めてしまったらもう戻れないんじゃないか、ダメなんじゃないか、と思ってしまう気持ちも、ものすごくわかる。

彼は不器用さや愚直さも持ちつつとてもクレバーな人だから(愚直さを前に出してくる賢しさというべきか)、多くの人に届く言葉を意識的に使っているのだろうな、と、活動再開後の発信を見て、そして今回のインタビューを見て思った(一応補足しておくと以前からこの傾向はある)。うつ病は決してマイノリティなものではないと個人的には思っているんだけど、それでも、なるべく多くの人に届けたい、知ってほしいという気持ちに基づいて、噛み砕いた言葉を選んでいるんだろう。うつ経験者だからなのか「そんな言い方しなくてもわかってるよ」とか「誇張気味だな」って思ってしまうところも正直あるんだけれども。

ツアー、どうか無事に走り切れますように。身体の調子をみながら、無理をせずに過ごして欲しい。

そして、わたしは山口一郎という人の生き様に対してお金(ファンクラブ会費)を払っているのかもしれない、と感じた。以前も思ったことがあったんだけど、改めて。


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