「検索」ではなく「回遊」を重視せよ
消費者の検索行動を探っていると、面白い事実が浮かび上がってくる。
例えば検索の仕方で言うと、新型コロナウイルスについて調べたい場合、大抵の人は「コロナ」で検索する。以下googleのトレンドキーワード分析から引っ張ってきたが、面白いことに正確な名前になるほど検索数は相対的に低いことがわかっている。
順番としては「コロナ」>「コロナウイルス」>「新型コロナウイルス」となり、検索の際は面倒な入力を省く癖がここで伺える。
他のワードもみてみよう。
次は「東京ディズニーランド」で分析してみる。
すると、これもまた「ディズニー」>「ディズニーランド」>「東京ディズニーランド」という順番になった。
ディズニーという単語がそのままディズニーランドに直接関連するかというとそうではない気もするが、トレンドの推移がほとんど同じ線を描いていることから、おそらくだいたいは合ってるはずである。
これらのことからわかることとして、
・消費者は検索するとき、いちいち全ワードで検索しない
ということであり、ここから得られる示唆は、
・消費者は「検索する」ために「何かを入力する」ことを嫌う
ということだ。
この気づきは、実はECサイトなどの購入体験につながる話として関連してくる。ネットショッピングなどにおいて、たいていの消費者は、わざわざ自ら検索したりすることがうっとうしいときがある。なぜなら、ほとんどの買い物客が「ぷらぷらと買い物」にきているからである。
何か特定のものを買う目的がある人はその品を目当てに検索するだろうし、ピンポイントで探しにくる。例えば単4の乾電池が欲しい!となれば、ドラッグストアでもアマゾンでもなんでもいいが、オフラインでは売り場の中から電池コーナーを探し、オンラインでは「単4乾電池」と指名検索をする。
しかし、単にウィンドーショッピングをしにきた人、ぷらぷら何の目的もなくきた人にとって、検索するという行為はなかなか難しい。
彼らが行う行為は、検索ではなく、「回遊」である。大抵の買い物客は「回遊」を目当てに来ている。
コロナによってECの売上はかなり全体的に上がっていて、今後もネットショッピングの価値は高まってくる。そうした時に、この「回遊」をどうデザインするか、というのが鍵となる。