BizDevは「成長を加速させるエキスパート」

BizDevの役割を一言で表すと、「事業成長を加速させる」仕事と言えます。どこの部署も「事業を成長させる」ことには全員がコミットしているわけですが、「加速させる」ことにフォーカスした部署はあまり存在しません。

成長を加速させることは、成長する事に比べて難易度が高いと言えます。そこには、力技だけではどうにもならない壁が存在するためです。

成長とはそもそも、何かを努力していれば必ずついてくるものです。地道に活動を続けていけば、自ずと売上は上がっていくものでしょう。一方で、その成長速度を上げるためには、一工夫が必要です。

例えば、足が速くなるには、ひたすら走り込んでいれば一定の速さを手に入れることはできます。しかし、「より速くなる」ためには、太ももの動かし方、足の裏の使い方、腕の振り方など、より細部の工夫が必要です。誤った方法ではいけないので、ちゃんと知識のあるトレーナーが側で支援する必要があります。加えて、選手の特性によって、最速になる方法は人によって異なります。きちんとその選手のタイプを見極めた上で、適正なトレーニングが必要です。

BizDevも同じです。適正な営業活動をしていけば、必ず売上や利益は付いてきます。しかし、「売上を加速させる」ためには、その企業の事業課題をきちんと理解しつつ、事業を成長させることに長けた専門家が、その企業にとって適切な方法で、着実に成長速度を上げていくことが必要です。

このように、成長する仕組みと、成長を早める仕組みは全く似て非なるものです。これまでBizDevが「何をしているのかいまいち掴めない」存在だったのは、そこがごっちゃになっていたからです。

BizDevが無くても成長はできます。けれど、BizDevがあることで、成長の速度が増し、結果的には事業拡大・売上拡大に大きく貢献します。その方法論が各企業によって様々であるため、プロセス設計が見えずらく、そのため「何をしているかわからない」という印象を持たれがちになるのです。「成長を加速させる専門トレーナー」という言い方をすれば、その理解は深まるのではないでしょうか。

そのため、BizDevが民主化するためには、まず我々BizDevに携わる者たちが、積極的に社内外に対してそのトレーニング方法を公開し、存在感を高めていくことが必要だと僕は感じています。

話は変わりますが、スタートアップ界隈では「リーンスタートアップ」の手法が注目されています。開発サイクルを短縮させ、早期にプロダクトをリリースし、顧客の反応を見ながら短期的な成長シナリオを描く経営手法です。

BizDevの役割は、まさにこのリーンスタートアップと同じく「加速度的な成長」を支援するものであるため、スタートアップとも非常に親和性が高いです。むしろ、リーンスタートアップ自体がBizDevの一つの方法論という見方もできるのではないでしょうか。

ReproでBizDevが求められているのも、今後さらなる成長を遂げる必要があるためです。

今後、5G、IoT、AI、サブスクリプションビジネスといった新たなファクターが登場してくるなかで、ビジネス環境も日々大きく様変わりしていきます。肌で感じてる方も多いと思いますが、最近は1年前のビジネスモデルがすでに崩壊していたり、トレンドがすぐに廃れていったりと、変化するスピードがかなり早くなっています。

こうしたなか、カメレオンのように、と言ったら言い過ぎかもしれませんが、その時その時目まぐるしく変わっていくトレンドや社会環境、競合環境に応じて、成長スピードを加速化させるためには、やはり僕はBizDevという「成長のエキスパート」が台頭する時代だと思っています。



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