Repro Partner Unionの「Circle」「Pitch」はどうやって生まれたか

もっとクリエイティブな人間になろう

長年B2B SaaS業界に携わっていて感じるのは、業界のセオリーや事例に縛られすぎている、という印象を持っています。

例えば、皆がABM(アカウント・ベースド・マーケティング)をやり始めたらこぞってそれを真似し始めたり、業務効率化のためにはインサイドセールスが必要だ!と誰かが叫んだら一斉にそれが広まったり、

自らゼロベースで何かを考えて生み出すという思考が停止してしまっているような気がしています。

ビジネスにとって最も重要な要素は何でしょうか?世の中を席巻している世界の著名な企業・起業家たちは、何を指針に動いているのでしょうか?

何かの真似をしていたら、絶対に一番にはなれません。一番になるためには、自らが何かを生み出し、世の中にセンセーションを巻き起こすことが必要です。業界をリードする、とはそういうことです。

もちろん、ゼロから考えたことが、すべて世の中を変えることにはつながりません。むしろ、ほとんどが結果的に「何かに似ている」ということで終わってしまうでしょう。しかし、ゼロベースで考えることをしなければ、イノベーティブなものは絶対に生まれません。センセーションを巻き起こす確率は、そのアイデアの量産の中から生まれるものではないでしょうか。

この考え方は、起業や経営など、大きなビジネスの話だけに止まらず、営業、マーケ、CS、開発、人事、様々な場面で、様々な粒度で必要であると思っています。つまり、役職やスキルなど関係なく、ビジネスに携わるすべての人が、クリエイティブな発想を常にもって働くことが僕は必要だと思っています。

具体的な事例 -Reproのパートナーアライアンス設計

今僕が実践しているのは、パートナーアライアンスの推進方法です。

よくパートナー推進で実践するのは「社内勉強会」や「共催セミナー」といったプロセスですよね。もちろんこれらは実施するに値するアクションではありますが、一方で、本当にそれが正解なのか、となると、そうではない気もします。

僕の考えだと、パートナーアライアンスの目的が、パートナー企業からの案件創出だと仮定すると、

・社内勉強会をしても紹介までにはほとんど至らない

・共催セミナーをしても案件化はほぼしない

という仮説を持っています。なぜなら、そこには

「価値を感じる」ことは出来ても、「価値を還元する」意識がない

からです。

持続的にそのパートナーからリードを紹介してもらうには、価値の還元意識が絶対条件になります。

では、何をすれば還元してくれるのでしょうか。そこには3つのプロセスが必要となります。

プロセス1:2社間のソリューションを真剣に考えてもらう

プロセス2:考案したソリューションに第三者のお墨付きを与える

プロセス3:そのソリューションに業界的な評価を与える

このプロセスを経ることで、初めて価値を還元する意識が生まれます。あとは、この3つのプロセスをどうプロモーション設計に落としていくか、という「HOW」を考えることになります。

そこで考えたのが、Repro Partner Union限定イベントである「Circle」と「Pitch」です。添付ファイルは私の事業部メンバーが作成したCircleとPitchの簡易的な資料になるので、ぜひご覧ください。

このイベント設計でどのように「HOW」を解決したか、解説していきます。

プロセス1〜3の解決法

Circleというイベントを開催。事業会社の決裁者を1名ゲストで招き、そのゲストに対して各社がReproを絡めたソリューションを提案。プレゼン力・アイデア力などを総合的に考慮して、最も優秀なソリューションを提案したパートナーを1社選定。選ばれたパートナーは、後日改めて自社の紹介と商談の場が設けられ、その場をReproが仲介します。

こうすることで、Reproを絡めたソリューションを本気で考えてくれる機会を設定でき、確実なリードを創出させることができます。Reproとしても、ソリューション化することで出来ることの視野が広がり、その決裁者に対するプレゼンス強化が可能になります。

また、Circleのゲストが選んだソリューションであることを社内外にアピールすることで、市場的な価値があることを裏付けることができます。

第三者からのお墨付きを得ることは、「認定」という承認欲求を満たすことになります。

また、Reproとしては、せっかくパートナー企業が考えてくれたソリューションをそのままにしておくのはもったいありません。それに、「認定」という印を与えただけでは、まだまだ「紹介」してもらうには意識づけが足りません。そこで、次はさらなる業界的評価を得られる場を提供します。それが我々でいうところの「Pitch」です。

ここで、業界的に価値のあるソリューションなのかどうかを事業会社が「審査員」となって評価をし、かつ、どうすればさらに良くなるかをワークショップ形式で事業会社・Repro・パートナーが一緒になって考えます。そこでこのソリューションのターゲットやコンセプトなどをさらにブラッシュアップして、完成まで作り上げます。

ここで重要なのは、事業会社はあくまで審査員という形でお呼びすることです(ここまで言っていいのかなw)。

導入検討してもらう前提でパートナー企業や我々ベンダー側から招待しても、事業会社の方々は来ていただけません。なぜなら、メリットが少ないからです。であれば、業界的な立場・知見から、ソリューションを「自社の視点で評価」してもらう、という立て付けのほうが良さそうです。

なぜなら、

人は「価値を作る」より「価値を見定める」ほうが得意だからです。

価値を作る=そのソリューションを使って自社の最適化を図る、ということになりますが、誰しもそこまで求められるとストレスとプレッシャーを感じます。ツールやソリューションを導入するということは、事業会社にとっては大きな責任を要するから当然です。であれば、その前段にある「価値を見定める」ほうに意識をシフトしたほうが良さそうです。「審査員として評価を与える」ほうが気持ち的には楽だし、一緒に取り組む意欲も湧きます。

このプロセスを経ることで、価値を還元するモチベーションを作ることができます。

こうしたアライアンス・プロモーション設計は、僕がゼロベースで考えたイベントです。

これが正解だ!とは到底言えませんが、これが僕のやり方だ!とは自負できます。なぜなら、ゼロベースで考えたからです。その気持ち・熱量が大事だと僕は思っています。

こうしたゼロベースアウトプットの量産が、きっと新しいムーブメントを作るきっかけになれば良いなと思い、信じながら、これからもアウトプットに磨きをかけていこうと思います。



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