ゼロイチ期におけるカルチャーフィットの重要性#85
面談を進めていくに当たって、どんな人を採用すべきなのか、いろいろと悩むことが多い。大きな企業になっていけば、評価指標などもしっかり作って運用をすればいいが、我々のようなまだまだ弱小スタートアップの場合、まだカルチャーそのものさえ不安定であるため、なかなか採用の基準がつかめない。
特に今の僕の状況は複雑である。台湾ではすでに80人以上のスタッフがいて、カルチャーは出来上がりつつある。若くてフレッシュで、のびのびとできる環境だ。しかし、日本は僕一人であり、会社のカルチャー=僕のカルチャーということになってしまう。
これからの会社のビジョンを考えると、僕自身のマインドをカルチャーの中にどれくらい含めれば良いのか、という課題はあるが、少なくとも第1号社員であり日本の役員でもある僕が合わなければ当然カルチャーフィットとは言えない。つまり、最初の時点ではどうしても「僕とウマが合う」ことが基準として設定せざるをえない。
そこで、僕自身がどんなカルチャーを求めているのか、少し言語化しておこうと思う。
Flexibility(柔軟性)
柔軟性はもっとも大切にしたい特徴の一つだ。ロール外の仕事はたまにやらないという人がいるが、それはスタートアップでは厳禁である。スタートアップの場合、とにかく色んな要素が自分の責任の範疇にのしかかってくる。とにかくチームが一つとなって、一つのビジョンと目標に向かって一枚岩になる必要がある。自分の成績だけ追い求めるならホームランだけを狙えばいい。しかし、時には自分が犠牲になってバントをする必要も出てくる。それらの責任を負うのは個人ではなく、監督だ。全ては監督の采配であり、責任なのだ。チームはチームの勝利だけに集中すべきだ。
Dedicated(ひたむき)
ひたむきさ、情熱、といった言葉だが、とにかくひたむきに仕事に取り組むことが求められる。ゼロイチ期は、とにかく仕込み仕込み仕込みの毎日だ。派手なことはない。目の前のやるべきことを、ただひたすらこなしていくことが必要である。クライアントの成果にどこまでも寄り添って、熱いくらい寄り添って、共に成長しようとする前向きさと情熱が必要である。なぜなら、その熱量が火種となり、大きな炎となるからである。最初の火種は、最初のメンバーがつけるべきであり、その火種が弱ければ、当然スケールはしない。
Exceed(超える)
僕らスタートアップは、普通のことをしていてはいけない。常にクライアントの期待、マーケットの期待、チームの期待を超えていかなければならない。今持っているスキルをそのまま使うのではなく、今持っているスキルを超えていくことが求められる。こうして常に期待を上回り続けることで、きっと信頼と信用を勝ち取り、成長していくだろう。
新しい気づきを与え、期待値を超える提案をし、想定以上のひたむきさを見せることが、やがて成長フェーズに入った時に信頼と信用の貯金となり、あらゆる面で恩恵を被るだろう。
クオリティとカルチャーフィットはトレードオフでもある
もしこれらのカルチャーマインドと合わないけれど、優秀な人が現れた場合どうするか。ここは皆が悩むことである。
もちろんクオリティを重視するなら優秀な人が必要だ。それがクライアントファーストでもあるからだ。
クオリティはイマイチだがカルチャーフィットする人
クオリティはピカイチだがカルチャーフィットしない人
僕がどちらかを選べといわれたら、クオリティはイマイチだがカルチャーフィットする人を選ぶ。
なぜなら、カルチャーフィットしない人間はいつまでもフィットしないからだ。人間性というのはなかなか変わるのは難しい。まだ新卒2〜3年目だったらまだ変わる可能性もあるが、その時点でクオリティがピカイチな人はあまりいないはずだ。しかし、クオリティはチームで補填することができる。カルチャーフィットさえしていれば、そこはカバーできるはずだ。
このトレードオフはリスクであるのも確かである。最初の時点ではもちろん疲弊するし、クライアントの期待を超えられない可能性もある。しかし、「超えよう」という意識を持っていれば、クライアントはついてきてくれる可能性がある。
長期的な関係性を気づくのであれば、そこの意識はかなり重要なのだ。
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