『次世代ガバメント』をつくるのはだれだ、?


私昔からいい本読むと心臓ばくばくなるんですけど、久しぶりになりました。ばくばく。

これは個人的にばくばくを残すためだけの記録。


『NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント 小さくて大きい政府のつくり方』読みました。


 小さい政府/大きい政府の二項対立を超えていく、小さいけれども、誰も排除されない大きな社会を実現する、「小さくて大きい行政府」はありえないのか?

人口減少によって社会が疲弊し「公共」が痩せ細っていくなか、デジタルテクノロジーの可能性を正しく想像することで、新しい公共のありかた、新しい行政府の輪郭を見いだすことができないか。

テクノロジーと社会の関係に常に斜めから斬り込んできた『WIRED』日本版元編集長、『さよなら未来』の若林恵が、行政府のデジタルトランスフォーメーション(ガバメントDX)に託された希望を追いかけたオルタナティブな「行政府論」。

eガバメント、データエコノミー、SDGs、地方創生、スマートシティ、循環経済、インディアスタック、キャッシュレス、地産地消、AI、クラウドファンディング、ライドシェアから……働き方改革、マイナンバー、ふるさと納税、高齢ドライバー、「身の丈」発言、〇〇ファースト、災害、国土強靭化、N国党、Uber・WeWork問題、プラットフォーム規制、リバタリアニズム……さらにはデヴィッド・グレーバー、暴れん坊将軍、ジョーカー、ヒラリー・クリントン、メタリカ、カニエ・ウエストまで……

縦横無尽・四方八方・融通無碍に「次世代ガバメント」を論じた7万字に及ぶ「自作自演対談」に加え、序論、あとがき、コラム32本を一挙書き下ろし! 企画・編集・執筆、全部ひとり!現場で戦う公務員のみなさんにお届けしたい、D.I.Y.なパンクムック!

いやーー、マジでパンクだったな。


APIとは?GDPRとは?はて??????状態の私、スマホ片手によくわからん言葉を片っ端からググり倒しながら夢中で読みました。

最初はガバメント=政府のことについて書いてある本なんだから日本の政治や政府の悪口書いてあるんだろうなと思ってたんですよ。そしたらあれびっくり全くないの。

読み終わってわかった。もうそんな無駄口叩いてるひま無いんだなって感じ。フィンランド、インド、エストニアとかのデジタルテクノロジーの力をこれでもかとフル活用してる海外の事例を見ていたら、悪口とかわざわざ書かなくてもハンコがどうのって言ってる日本がどんな位置にいるのか自然とわかる。

ざっくり言うとデジタルテクノロジーを使えば、大きい政府でも小さい政府でも実現仕切れなかった、柔軟な公共がつくられる。そしてそのためには、民間の動きも重要になってくるということが書かれていた(と思ってる)。

いろーんなところが繋がりあってる。日本は「税金」と言う料金を払って公務員や行政に働いてもらっていると言う感覚が強いように思う。自分たちの社会を自分たちが作っているという意識がきっと低い。そしてそれは主権者教育や政治教育の不足など様々なものの結果なのだろう。もはやどっちがスタートでどっちが結果なのか分からないけれど。

あと、当たり前かもしれないけど、私はここを読んで「社会をつくることに正解ってもともと無いんだな」という当たり前のことを知った。

ーーー 非常に合理的な仕組みだと思いますが(インド国民全員のIDシステムを元にして作られた枠組みが徴税、ヘルスケア、物流などにまで活用されいる仕組み)、この全体の設計図が一体どなたが描いたのでしょう?

実は設計者はいないのです。(省略)一つの取り組みを実施すると次に必要なものが見えてくるというようなやり方で順々に出来上がっていったものなのです。

最初から100まで考えてスタートするのではなく、70ぐらいまで考えて30余白を残しておきながらチャレンジする。そしてやってみて見えた道を進む。そうやって新しいものって創られるのだなと思った。


終わりの方まで来ると、デジタルテクノロジーってメリットばっかジャーンと思う。今まで情報を集積するとかよくわからなくて漠然と怖いイメージあったけど、いいんじゃん。公務員の仕事もある情報では9割デジタル化できるらしい。それは公務員の仕事がなくなるということではなく、さらに公務員がコミュニティに直に関われるようになるということ。私たちも自分の情報がデジタルに保管され、好きな時にきちんと手に入れることができる仕組みができたら嬉しい。そしてデジタルテクノロジーを活用することで行政府と民間が協働してもっと自由に動いていけるようになったらいいな。

そんな風に思わせといてのちゃんと最後に憲法学者の先生の「データは誰のものか?」という話。データ管理は誰がどのようにするのか、そのために必要な仕組みなんかも取り扱ってくれる。ぬかりない〜。


あと、個人的には最後の

NGGを妄想するためのランダムなアイデアソース85

というところがツボだった。たぶん次この本読んだらきっと面白いよという85冊の本が紹介されているのですが、これからの学びの布石を与えてくれてる感じでとっても素敵。なんとなく今はふわふわした思想や空想のことよりも事実や事例とかゴリゴリ具体的なことを知りたい。はーー知らないことが多すぎる〜意欲刺激される〜〜。


ということで、さっちんさんが「コロナきっかけで政治や公共に興味を持った人に読んでほしい5冊(独断と偏見)」でもオススメされてましたが、ほんとズバリ読んでよかったなと思う。


NPOで働く友達にオススメしたら購入したらしく、彼女が読み終えたらこの本についてワアワア言い合う会を設定した。楽しみでしかない。


ハンコとか言ってるところから諸外国のレベルまで持っていこうと思うと、途方もない距離があるように思う。自分の生活が行政府に繋がってるという意識もあまり持てない。

でも、このコロナ期を経て何かが確実に変わってきてる気がする。大学の友達とオンライン飲み会中、いつも通りくだらない話をしてたらなんだか自然と政策の話になっていた。

海外に移住している友人が言った。

「確かに今の日本の政治はかたいし、あかんところも色々あるやろけど、なんかちょっとずつ変わっていくんかなぁとも思ったりする。選挙いこ」

うん、私もそう思う。自分の生活と政治がふっといパイプで繋がってることを今回強く強く感じた人、多いと思う。そして次世代ガバメントをつくるのも私たちだと思う。まずは知ることをやめないと決めた。学ぶ。


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