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なぜ、自分を知ることが必要なのか。(愛着障害について)②

前回の記事の続きです。

前回は、ざっくりと
愛着障害とはどのようなものか、どんなタイプの人をさすのか
というところまでお話ししました。

今回は、
そのような人が持つ「禁止令」と呼ばれるものについて
書いていきます。

禁止令とは、育った環境や
過去の経験によって自分でも気づかないうちに
心の中に生まれるもので

これが幼児決断のもととなっていると言われています。

こちらの記事では、それらの禁止令の一部をご紹介しますね。



禁止令①『存在するな』

「自分なんていないほうがいい」
「消えてなくなりたい」
などと思ってしまう方は、『存在するな』という禁止令をお持ちかもしれません。

その原因は、幼いころに身近な大人から拒絶や無視をされたり、
あまり幸せそうではない両親などを見て、親の不幸が自分のせいだと思ってしまったり
ということがあげられます。

この禁止令を持っている人は、自分の無価値観を補うために
他者に尽くしすぎてしまったり、仕事を頑張り過ぎたり、という傾向があります。


禁止令②『欲しがるな』

「人に頼みごとができない」
「他者にあわせる」
「やりたいこと、好きなことがよくわからない」

このような方は、『欲しがるな』という禁止令をお持ちかもしれません。

その原因は、我慢しなさいと言われて育ったり、大人が苦労している姿をみてきたことによって
自分の欲求を出しても通らない、我慢癖がつく、といった理由が挙げられます。


禁止令③『重要であるな』

「職場や街中で、できるだけ目立たないようにしていたい」
「地味なファッションを好む」
「人前に立つのは苦手」
「自分はどうせ選ばれないと思っている」

こんな方は、『重要であるな』という禁止令をお持ちかもしれません。

その原因は、自己表出を大人から否定され続けたり、自分ではない他の兄弟や同級生ばかり尊重される環境で育ったり、自分の意見や話を聴いてもらえない経験が多かったことがあげられます。

また、そういった環境や経験への反発心から「重要じゃないと生きている価値がない」と思い込み、いわゆる他者へのマウントや、自己アピールをする、といったこともあります。


禁止令④『近づくな』

「自己開示が苦手」
「1人で解決しようとする」
「本心をさらけ出せる人がいない」

このような方は、『近づくな』という禁止令をお持ちかもしれません。

その原因は、身近な大人から「忙しいから後にして」とか「おまえはだまっていろ」などと言われたり、
自分が寂しいとき、悲しいときに構ってもらえなかった、など
他者に近づこうとするとよくないことが起こる経験を多くしていることがあげられます。


禁止令⑤『成功するな』

「いつも同じパターンで失敗する」
「お付き合いしてもふられてしまう、または不安になって自分から去ってしまう」
「重要な時に体調を崩す」

このような方は『成功するな』という禁止令をお持ちかもしれません。

原因は  成功しても褒めてくれないのに、失敗したときは優しく励まされる経験や

完璧主義の大人に過剰な叱りを受ける
「お前はいつも重要なところで失敗するじゃないか」と言い聞かされるなど

「成功しない方が可愛がってもらえる」「自分は成功なんてできない人間なんだ」と思い込んでしまったことがあげられます。


この他にも、
感じるな
自分自身であるな
自分の性であるな
子供であるな
所属するな
健康であるな
考えるな
何もするな

といった禁止令があると言われています。


いかがですか?


心がぞわぞわする、という方がいらっしゃるのではないでしょうか?


あるいは…

「だから何なんだろう?」
「これを知ったからといって、何も解決しないんですけど…」
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。


なぜ、このようなことを含めて「自分を知る」ことが必要なのか。


それには理由が3つあります。


①「絡まったひも」を観察すること

生きづらさを抱えている方…
あるいは、はっきりと「生きづらい」という自覚はないにしても
なぜかいつも同じパターンで、人間関係などがうまくいかなくなる方。

そういう方の幼児決断は、「絡まったひも」のようなものなんです。

絡まった紐をほどくには、どうやって絡まってしまったのかを観察しますよね。

やみくもにあちこち引っ張ると、さらに絡まってしまいかねません。

どうやって絡まったのかを理解するために、「知る」ことが必要なのです。
知って、理解して、初めて改善する方法もわかるのです。


②自分責めをやめること

不幸な幼児決断をしてしまったために、「絡まったひも」がこじれにこじれてしまい、それを全て自分のせいだと思っている方がおられます。

たとえば、回避傾向のある愛着タイプの方は、人と親密になるのが怖いので、他者との繋がりのない日々をおくってしまうことがあります。
それを、「自分は人から好かれない」とか「自分は人を好きになれない冷たい人間」などと思ってしまうことも。

逆に、不安傾向のある愛着タイプの方は、他者との関係が希薄になってしまうのが怖いがために、少しでも冷たくされると相手に怒りをぶつけてしまったり、誰かれ構わず体の関係をもってしまったり、ということもあります。
そして、事が起きたあとに、自分の行いを悔いる、ということもあるのです。

でもそれは、過去の記憶が潜在意識(この場合の脳の部位は、主に扁桃体だと言われています)の中に残っており、それが影響している場合が多いのです。

その記憶を何度も何度も(何十年経っても)、追体験しているから、現在でも怖いのです。

そのため、「それが過去のものであって、今の自分を迫害するものではない」と自分の脳に知らせる必要があるのです。

③正しく取り扱うこと

愛着障害に限らず、自分の取り扱い方を知ることは本当にたいせつです。

雪の日にノーマルタイヤで車を走らせると、
スリップして事故を起こしてしまう確率が高いですよね。

それを知っていれば
雪の日は車を使わない、あるいはスタッドレスなどの装備を整える、という対処をすることができます。

ですが一定数の方は、そういった「自分の習性」を知らないまま人生を生きています。だから、事故を起こしてしまうのです。

「こういう時、自分は相手に激しく怒ってしまう。なぜなら、相手が離れていくのではと思ってしまい、不安になるから。」
ということを理解していれば、予兆が現れた時点で自分で対策をとることができるかもしれないし、身近な人に自分の習性を話しておいて、ある程度までは理解してもらえるよう促せるかもしれません。


以上です。

自分を知ることは簡単な作業ではありませんが、
いったん、自分という深い海に潜ってしまえば、それまでの恐怖感がうそのように「自己肯定」「自己受容」ってこういうことだったのか…
と腑に落ちる方がたくさんおられます。

その世界を、多くの方に知って頂くきっかけになればと思い、書いてみました。

最後までお読みいただきありがとうございます。
ではまた次回にて(^^)/




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