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ファースト・ペンギン

いやー、ペンギンって可愛いですよね。
横浜のズーラシアにいるペンギンとかめっちゃ可愛いので、皆さんぜひ見に行ってみてください。

…という話をしたいわけでは当然なくw、今日はあくまで例えとしての「ファースト・ペンギン」のことを書きたいと思います。

ファースト・ペンギン事例

まず私が過去に手掛けてきた「ファースト・ペンギン」的事例をご紹介。

1)かなざわ育なび.net
金沢区役所福祉保健課在籍中に手掛けた案件。
・オープンデータを活用し、データを一元化していること
・居住地の郵便番号、子どもの生年月日でパーソナライズされた情報表示を行うこと
の2点がウケてバズった案件。
企画は私、石塚清香、構築は、横浜市都筑区のIT企業であるインフォ・ラウンジ合同会社(今は株式会社になってます。)
その後、全国各地で同じようなパーソナライズ仕様を採用した子育てアプリが次々と立ち上がり「これ特許取っておけば良かったんじゃ…(;'∀')」とマジで思ったりしましたw

政府CIOポータルの「オープンデータ100」に取り上げられた他、色々な新聞や講演などでも取り上げていただきました。

2)緊急時情報システム「5Co Voice」
こちらは金沢区地域振興課にいた時に手掛けた案件で、過去記事でも取り上げたことがあります。

「一斉に情報を伝達するならWEBかメールっしょ。」という固定概念を完膚なきまでに覆し、固定電話を含めた「音声電話」を一斉情報配信・一括情報取得の手段として使ってやろうという超野心的システム。
企画・運用は株式会社137、バックエンドにビートレンド社のカスタムIVRを活用しています。
しかも、既存のIVR製品でよくある「発信音声作成一回につき〇〇円」みたいなオプション型ではなく、月額使用料の範囲で「発信する内容やアンケート設定したい項目をユーザー側が自由にカスタマイズができる」ことが最も大きな特徴です。

代表の黒田さんは、5Co Voiceの後に手掛けたプロダクトで日本政策投資銀行(DBJ)の女性起業家大賞を受賞されています。

3)危機関連保証認定スマート申請
これは2020年現在の所属である横浜市経済局で手掛けた案件。
コロナ禍によって三密状態に陥った金融課の窓口を改善すべく、新進気鋭のGovtechカンパニーである株式会社グラファーの「Grafferスマート申請」のカスタムサービスとしてリリース。

添付書類の削減やUI/UXの見直しなど、BPRにおいて当たり前にやるべきことを粛々とやった結果として、短くて30分、長い時で3時間かかっていた来庁者の窓口滞在時間を1-2分に短縮しただけでなく、構築の過程で中小企業庁に掛け合い、押印省略を認めてもらったことでも話題になったプロダクト。
こちらも色々な新聞記事やNHK WORLDなどにも取り上げていただきました。

ファースト・ペンギンってなに?

最近よく聞くようになった「ファースト・ペンギン」という言葉の解説はこんな感じです。

ペンギンの群れには特定のリーダーがいないため、「最初の1羽」に従うという集団特性があり、群れの中の誰かが海に入るまでは、みんな氷上にとどまって動かない。しかし、そんな中でシャチやトド、オットセイなどの天敵が待ち受けているかもしれない海に、生命の危険を顧みず、真っ先に飛び込んだペンギンは、身をもってその海が安全であると仲間に示す一方、そうすることで誰よりも確実に、お腹いっぱいのエサにありつくチャンスを得る。

二番じゃいけないんですか

ともすれば「無謀」とか「目立ちたがり」と同じ意味で受け取られがちな「ファースト・ペンギン」ですが、私が手掛ける事例には共通するひとつの特徴があります。

それは「セカンド・ペンギンが付いてきやすいように作る」ということです。

私はペンギンになって最初に海に飛び込んだことはないですし、最初のペンギンがどれくらいシャチやアザラシに食べられているかの統計的データも知らないですが、想像するに最初の1羽目は「どのあたりに飛び込んだら危険に遭遇する確率が低いか」みたいなことをある程度経験値として知っている個体じゃないかと思っています。

なぜセカンド・ペンギンが大切なのか、それは、TEDでデレク・シヴァーズ氏が語ったように、そういうフォロワーの存在がいてはじめて、手掛けたプロダクトが「ムーブメント」になり得る事案となるからです。

そして私自身もそうしたフォロワーの存在によって、自分が手掛けたプロダクトへの手ごたえを掴むことや、それを仲間たちと分かち合うこと、新たな出会いによる豊かな人脈、新しいチャレンジという恩恵に預かることができるわけで、そうした可能性を感じるプロダクトを思いついた時が一番ドーパミンが出る瞬間だったりしますw(逆に言えば自分がセカンド・ペンギンとして「使いたい!」と思うプロダクトも、同じように広がりの可能性を持っているものだけで、それ以外のものには目もくれないってこともありますがw)

ただし、ファースト・ペンギンがセカンド達の目の前でシャチに食べられてしまったら、後に続く者がいなくなってしまうので、そうならないように様々な法令・規則の読み込み、行政施策におけるトレンド、UI/UXの作り込みや改善に関すること、誰に相談をするのが最も適切かつ効果的か、逆に誰には近づかないほうが良いのかなどはものすごくシビアに判断するということは申し添えておきます。

今後また新たな事例を生むこともあるかもしれませんが「つねにセカンドの姿を想像せよ」ということは心に刻み込んでいきたいと思っています。


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