共に時を刻む。

高校の入学祝いとして、親からプレゼントされた時計がある。今では複数腕時計を持っているが、その中で一番長く使っている時計が、その入学祝いの腕時計だ。

CITIZENの「wicca」シリーズの腕時計。

高校1年生から今まで、ずっと使い続けている。

もうすぐ10年になろうとしている。

ソーラー電池の時計。何だか少し時間がずれてきたな〜と感じたら、日当たりの良いところに置いておく。そうやって約10年、今も使い続けている。

高校受験を従姉妹のお下がりの腕時計で乗り切った中学生の私は、そのお下がりのもの以外には、ちゃんと動く腕時計をもう持っていなかった。

見兼ねた親が、高校入学祝いは腕時計にするから買いに行こうと言ってくれた。

家電量販店の時計のコーナーに連れられ、「大体これぐらいの価格帯の中から選び！長く使えそうなデザインにした方がいいよ。」
と言われ、ショーケースの中で並ぶ腕時計たちを見る。

そこでパッと目に入ったのが、
確かこの時計だったと思う。

当時すでにモノトーンファッションが好きだった私は、黒文字盤にシルバーのこの腕時計に惹かれた。

それがこの腕時計との出会い。

10年後も使い続けているとは、当時は考えてもいなかっただろうけど。社会人になった今でも使いやすいデザインで、この腕時計にして良かった、と思う。

高校生→大学生→社会人と、
大きく環境が変わっていく成長過程の中で、使い続けているから、

なんでもしってる　ふるどけい

うれしいことも　かなしいことも
みなしってる　とけいさ

「大きな古時計」にある歌詞のように、私にとって、この腕時計はある意味何でも知っている時計だ。

楽しい思い出
嬉しい思い出
悲しい思い出
悔しい思い出　…etc.

この10年振り返ってみれば、本当に色んなことがあった。

「えっ？壊れた？」って、時計を見て焦った時もあったけど、なんだかんだで今も動き続けている腕時計。

崩れ落ちそうな時もあったけど、なんだかんだ乗り越えて今も一歩一歩進み続ける自分。

この10年一緒に時を刻み続けた、この腕時計と私。
これからも長く時を刻んでいけたらな、
と思う。🕰