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採用の現状と、採用マーケティングのメモ

採用について、ここ最近いろいろと調べてみたので、メモです。

採用の現状

地方の応募はどんどん厳しくなる傾向

  • そもそも学生の絶対数が減っている

  • 倍率は1.5倍

  • 23卒は、過去3年の中で最も辞退率が高い(内定が出る確率が高い)

  • コロナ禍を経て、大企業を志望する揺り戻しが起きている

学生の傾向

  • ワークライフバランスへの関心は高いが、自己成長への関心が最も高い

  • かなり早い段階で内定が出ている(5月の時点で58%)

  • 売り手市場ではあるが、安定志向でかなりシビアに情報を調べる傾向にある

  • インターンシップは入社のきっかけとして、大きな役割

  • 1〜3年にインターンシップ参加をし、4年の4〜5月には半数以上が内定取得済み、という学生が増えている

インターンシップの変化

  • 25卒から、インターンの解禁が早まる(4月から)

  • インターンの条件が規定されて、長期実施のものしかインターンシップを名乗れなくなる(5日以上、25卒から)

  • 長期休暇期間での実施の条件

これはかなり重大な変化で、インターンシップは採用の決定において重大な役割であるのに、長期でしか実施が認められていない。つまり、学生が参加できるインターンの数が減るという事になります。
大手を優先する傾向もあることから、中小企業は参加者が減る可能性がある。今まで通りの正攻法ではなかなか難しくなりそうですね。

採用マーケティングの考え方

採用を行う目的

社員募集の目的が、実は整理されていない企業が多い様子です。

企業内部で、採用を募集する理由としてよく語られるのは、大きく2つ。

  • 抜けてしまった人材の補充(欠員補充)

  • サービスの質の向上(体制の強化)

ただ、これらは広義の意味で捉えると、採用募集の目的ではなく、目標と手段。
欠員補充も、体制強化も、会社として叶えたい未来に到達するための、手段でしかない。

もし、採用でちゃんと成果を出したいならば、採用募集の目的は「会社として叶えたい未来に対して、どんな人材を強化する必要があるのか」というところまで、深掘りして考える必要がありそう。

採用のフェーズの考え方

HR Lab.企業のファンづくりを促進するメディアより

採用で難しいのは、入社までがゴールではないという点です。
自社にマッチした人材が取れないと、1年かけて育成したにも関わらず、退社してしまうという事が起こります。
このミスマッチが起こると、広報費用、人事部の人件費、就職サイトにかかる費用、研修費用、面接官のリソースなど、かけてきた費用と時間が無駄になってしまいます。

このミスマッチが起こらないためにも、本当に欲しい人材と、実際の会社の状態と、どちらも併せてターゲット設定を考える必要が出てくる。

自社を深掘りする

中小企業で意外と多いのが、企業としてどんな未来を思い描いていて、どんな強みがあるのかが整理できていない状態である、ということ。
採用の本来の目的は、会社が目指す未来実現のために、不足しているスキルやパワーを補う・補強する事であるはずなので、企業の方針をいま一度見直して、社内に共有しやすいように言語化する事が望ましい。

ちなみに、強み・弱みはペルソナ設定ができてから、ペルソナに対する強みを整理する形でもいい。一方で、自社の強み・弱みからマッチする人物像を考える方法もありそう。

採用の人物の深掘り

「叶えたい未来に対して、どんな人材を強化するのか」という事を明確にする必要があります。
また、選考方法、メールでのコミュニケーション方法、面接など、さまざま学生との接点で関わる社員と、目的をブラさないためには、具体的な人物像(ペルソナ)の設定をすると良さそうです。
ペルソナがあると、その人材がどんな人物像かを整理し、どんなコミュニケーションが適切かの共通認識が持てる。

自社を知る

ペルソナに対して、どんな強みや弱みがあるのか。
取りたい人物像が選ぶ企業はどんなところが挙がるか。
その企業と比べて、どんな活動を行っているか。どんな活動が行えるのか。
自社のリソースも含めて、どんな現在地なのかを整理する必要があります。

採用手法を考える

ペルソナと、その人物が何をしているのか、競合はどう動いているのかを整理できると、どこに力を入れるかが見えてくる。
もしかしたら、正攻法で情報の出し方を変えれば良いかもしれないし、そもそも正攻法では集められないかもしれない。

情報の出し方を考える

ナビサイトの情報

採用ナビサイトが、多くの場合学生との最初の接点になります。
ここでどんな見出し・内容を出しているかで、そもそも企業情報を見てもらえるかどうかが決まります。

Webサイトの情報

多くの地方企業のサイトが、暮らしやすさ・働きやすさの発信に留まっています。
同じような情報を掲載している企業が、非常に増えている。

その場合、企業を選ぶ際に条件でしか、差がつけられなくなります。
そうなると、小さい会社ほど武が悪い。

何をしようとしていて、どんな成長の場が設けられて、どんな人と働きたいと思っているのか。

この情報発信が、差別化の鍵になりそうです。

メールの書き方

採用の選考が進むと、メールなどの連絡ツールでのコミュニケーションがメインになります。
ここのコミュニケーション方法が、会社の印象を左右するポイントでもあります。

多くの企業が、メールは定型文で済ませている中、ここのコミュニケーションひとつで他との印象を差別化する事ができる可能性があります。

印象を大切にする

働きやすいと謳っているのに、面接官の態度や質問内容がそれに沿っていないと、不信感を生みます。
決めたターゲットや、採用コンセプトに合わせた選考方法(面接、説明会)や態度も重要です。

しかし、謳い文句と、実態がそぐわない場合は、そもそもコンセプト設定を見直すか、社内の体制や態度を改革する必要があります。

母数にこだわらない

採用でやりがちな間違いは、母数を広く集めようとすることです。
本来、自社にマッチしている層から応募が来ているのであれば、母数はそこまでいらないはずです。
(5人採用予定なら、マッチしない人100人から応募があって対応するよりも、10人のマッチする人材から問い合わせがあった方が、お互いハッピーで社内リソース分も低コスト)

目標値は、応募母数で測るよりも、応募者の質で見ると良い。

これからの課題

ここからは、私の考えや体験の中からの話です。

人事担当のリソースがヤバい

採用の解禁が早まったり、オンライン化が進んだことで、人事担当の仕事が増えている様子です。

  • 仕事が重なる(例えば23卒の最終の追い込み時期に、24卒の早期インターンや早期採用が始まってしまう)

  • 学生の参加しやすい時間に合わせた、オンライン説明会を毎日、複数回行う必要がある

  • 接触機会を増やさなければ、取られてしまうのではという危機感

正攻法では選ばれづらい状況

大手志向への変化、売り手市場という事になると、今まで通りナビサイトへ登録して、説明会に参加しても人は集まらない。

差別化できていない情報

いま、地方企業では会社に入社している人にアンケートをとると、「ワークライフバランス」のような働きやすさ重視の話が、会社の決め手として出てくると思います。
それを鵜呑みにして、ワークライフバランスを売りにした情報発信をたびたび見かけますが、それだけでは差別化できない状況が生まれています。

リクルートサイトの重要性が謳われた結果、リクルートサイトのリニューアルが各社で起きている。
地方企業の多くのリクルートサイトでは、都市圏の企業とのメリットとして、暮らしやすさにフォーカスした情報発信をしています。
暮らしやすさは大切なのですが、他社と比べてどんな人が向いているのか、自社で実現できることは何か。この辺りを明確でいて、差別化できる情報として出すことは重要そうです。

今すぐやれること

ここからは、私のアイデア程度のことです。

ユーザーとの接点になっている情報を見直す

Webサイトを見直しても、ナビサイトの情報は概要文に留まっている企業を多く見かけます。
学生の最初の接点になる可能性の高いナビサイトでこそ、自社の魅力を充分に伝える努力が必要かもしれない。

そもそも、正攻法で戦わない

ナビサイトへの投資、認知のための広告への投資など、確保している予算が、競合している企業と比べて少ない場合は情報を見直したとしても、なかなか難しい。
そうなると、リファラル採用や、学校への働きかけ、学生と直接つながるなど、今までとは違うルートでの採用の仕方を考えても良いかもしれません。

自社を知って、相手を知る

いずれにせよ、小手先の方法論に頼ったところで、根本がブレていると良い人材は集まらない状況です。

  • 会社が目指す未来を明確にする

  • そのために欲しい人材の人物像を明らかにする

この部分は大切にしながら、採用の打ち手を考えるよう意識したいです。

参考情報

  • ※あとで追記します

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