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「上手にデザインができない」という悩みを受けた話

20代前半の社会人1年のデザイナーさんと、仕事についてお話しするタイミングがありました。
少し前まで、うまく仕事が進められなくて落ち込んでいたそう。

  • 上手にデザインができなくて悩んでいる

  • パターンを出せ、と言われた時にどういうパターンを出したらいいのか、わからなかった

  • モーショングラフィックが自分に合っていそうだから、そこを中心に頑張りたいと思っているけれど、どうか

というお話し。
その方は、アイコン作りは得意なのだけれど、ページ全体のデザインとなると先輩から指摘も多くてうまくできないことに申し訳なさを感じている、という話もしてくれました。

ちなみに、私は4年ほど前まではWebデザイナーを名乗っていたけれど、今はディレクターでデザインをする立場ではありません。経験はあるがデザイナーではない人間の一つの意見、として書き残しておきます。

得意や好きなことは大切にする

得意な表現や技術、というのは強みとして生きる場合がたくさん出てくるので、これからもどんどん磨いたらいいと思います。
それと、楽しめるものは伸びる。なので楽しいと思えるものも、やりきってみたらいい。

今できていないことから、すぐに逃げない

ただ、デザインの試行錯誤や実践も足りていない新人の1年のうちから「自分には向いていない」と諦めるのも早いと感じました。

まずは、「うまくデザインができない」と思う理由をもっと深く分析してみる。
先輩から指摘をもらうポイントを整理してみると下記のような分類ができると思います。

  • 目的理解が足りない

  • 表現の基礎ができていない

  • 表現の幅が足りない

指摘の理由を集めて分類してみたら、自身の現在地がもっとわかるはず。

ひとつわかる事で、このデザイナーさんの場合は顧客や目的理解が足りていないことが上手くいかないと感じる大きな要因のように感じます。
「どんなパターンを出したらいいか悩む」ということはまだ顧客や目的理解が足りていない証拠。
モーショングラフィック、WEBデザイン、紙のデザイン、どの分野でもお作法が変わる部分はあるにせよ、誰に何をどう伝えてどう感じてもらい何をしてもらいたいか。目的の理解・組み立ては絶対に必要になります。

最初から正解を出そうとしない

社会人・デザイナー経験1年足らずの今、うまく目的を理解できないのは当たり前です。
それは、目的を理解しようと考え試してみて、間違えて、指摘されながらどんどん磨かれる。 うまくできないと感じているなら、やってみて、間違えて指摘された回数だけ早く成長できるはず。
自分がまだできない事を認識して、勉強し、考え、実践し、意見をもらうことを大切にしてほしいです。

私も経験があるのですが、上手くできるまで人に見せたくないという心理がデザイナーには働きがちです。
間違いを指摘されると落ち込むこともわかるけれど、そこは「まだ伸び代があるところ」とできない自分を許して、どんどん人に見てもらう機会を増やした方がいいのではないかと感じています。

実践をする機会がまだあまりないと感じるのなら、自分の好きな分野で訓練してみるのもいい。
例えば、好きな漫画のロゴや表紙のデザインを分析してみる。
ロゴで、ストーリーの何をどんな表現で伝えようとしているのか自分なりに書き出してみて、できれば人に共有してみる。
すると、考えることと、目的理解の訓練になります。
訓練の方法はいろいろあるので、調べたり考えながら試してみると良い。

というようなことを、あくまで私の意見だけれどお話ししました。

目的設定はどのデザイン分野でも重要になる

個人的には、モーショングラフィックなどの表現や技術を磨くことよりも、一番重視してほしいことは目的設定。
ツールも表現も変化が激しい今、表層や表現を磨くことよりも、「何を解決できるか」そのために「どんな目標を立てるのか」を考えた方がこの先活きます。
それはデザインに関わらず、あらゆる分野・業種で重要になるスキルですし、AIという技術が生まれた今は、顧客の課題や目的理解はこれからのデザイナーについてまわるスキルだと思っています。

相談してくれた方(手段・表現を重視しそちらに走ってしまいそうなデザイナーさん)には、引地さんのこちらのツイートもぜひ読んでほしいです。

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