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荒木哲郎監督のはなし。ごきげんに働く。
昨日は社内セミナーがあり、「進撃の巨人」などのアニメーション監督の荒木哲郎さんをおよびして、お話を伺いました。
(11月に開催予定だったけど、延期になって昨日開催された)
その後の一般向けセミナーにも参加して、幸運なことにごはんも一緒させていただきました。嬉しい。
たくさんお話しをさせてもらって、気づきになることも、改めて意識しようと思うことも、いろいろ聞けました。
※翌日書いたので、かなりわたしの主観や解釈が入っていると思います。
荒木さんの言葉とその感想
ごきげんに働く
監督という、たくさんの人とコミュニケーションが必要なポジションだからこそ、ご機嫌でいることが重要。
荒木監督は昔は不機嫌に仕事をしている時期があって、奥さんから「監督はみんなの応援団であれ」というアドバイスをもらったそう。
素敵な奥様だ。
それを素直に受け止められる監督も素敵だ。
不機嫌さは、周囲に発言しづらい空気を作ってしまう。
すると、周囲から良い提案をもらいづらくなってしまう。
また、また一緒に仕事をしたいと思ってもらえることが、次の作品作りにも影響する。
私は、そうならないように気をつけているけれど、割とネガティヴな切り口で話してしまうことが多いので、めちゃくちゃ気をつけようと思いました。
ごきげんな現場がいいよね。
監督の仕事は、スタッフに点を取らせること
ごきげんと、同じような理由だけれども、関わる人が楽しめる環境が大切。
自分が巻き取って、自分が進めてしまった方が早いと思う場面もある。
けれど、ちゃんとフィードバックをして「その人のおかげ」を作り出す。
まずはありがとう。否定から入らない
あがってきたものが微妙だったり、意図したものでなかった場合でも、まず指摘から入らない。
取り組んでくれたことには、まず感謝。
意図せず、自己中と思われてしまうことがある
対面での態度が横暴でなかったとしても、スケジュールやスタッフの働き方への気遣いが欠けると、
「自分たちは大切にされていない」
と感じさせてしまうことがある。
良い作品をつくろうと、絵コンテで悩みすぎた結果、現場のメンバーが短納期で仕上げなくてはいけない状況が生まれてしまったとのこと。
結果的に評価される作品が作れたとしても、現場が疲弊すると、次の作品で協力者がいなくなってしまう。
そう考えると、こだわりとその折り合いをつけるポイントというのは重要だよなぁと思います。
早い段階で評価してもらう
荒木監督は、絵コンテの段階で、周囲の人に確認してもらっているそう。
観客が感じるズレに、いちはやく気づくこと。
私は完成に近いところまで溜め込んでしまうことが多いので、早めに評価をもらうというのは、気をつけておきたいなと思います。
ごきげんな環境を大切に。
幸い、うちの会社は素敵なメンバーばかりなので、とても良い雰囲気が漂っていると思っています。
そんな環境でも、自分自身が忙しくてカリカリしてしまったり、ネガティヴな発言をしてしまうことがあるので、とても気をつけたい。
ウェブとアニメーションで、作っているものは違うけれど、共通の苦しみがあって、その中から生まれた荒木監督の考え方は、とても共感もできるお話しでした。
私もがんばるぞー!
苦しみながら一歩ずつ
さいごに、監督というと「すごいカリスマ性があって偉そう」「華々しそう」みたいな先入観もありましたが、実際にお会いして話を聞いて行くと、人とのコミュニケーションに悩みながら苦しみながら、前へ進もうとしている人なんだなと感じました。
プロデューサーや発注者の意向もあって、
予算やリソース、時間も限られていて、
100名ちかいスタッフに意思を共有しながら、
一緒に一つの質の高い作品を作り出そうとする
想像以上に、泥臭いし、難しいし、大変。
ご自身にとっての作品の成功は「スタッフが振り返ったときに良い現場と思えて、誇らしい作品でもあること」と話す荒木さん。
良い作品になっても、現場がダメだったり。
良い現場になっても、作品が評価されなかったり。
まだ、成功と呼べる作品は作れていないと話していました。
作品のレビューを見て、すごく落ち込む、という話もありましたが、それだけ苦労して作り上げた作品が批判されているのは悲しいですよね。
人が作ったものを、簡単に否定するような人になりたくないな。とも思った1日でした。
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