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元恋人とサヨナラする方法


…教えてください、なんちゃって。

小学6年生のとき、とある男の子に猛アプローチされ、中学1年生の秋、付き合った。ものの半年で別れた。「お付き合い」なんて言えないカワイイ関係。

あれから7年、今でも彼は私の中で居座っている。
…いやいや、一途とかのレベルじゃない。
どう考えたって、引きずられすぎである。


でもね待って、少し聞いてほしい。

私だって全力で忘れようとはしていた、はず。
だけれど、成人式の日「彼と一言も話さない」という目標を掲げ会場に向かった結果、無事彼の方から強制的に呼び止められ、話す羽目になったのだ。

無論、私は終始黙っていた。
これ以上、あなたとの想い出を作りたくないよって。いい加減、私を解放してよって。

でも、あまりに彼があの頃と変わっていないから(外見は変われど、根本に同じものを感じた)思わず微笑しながら声を発してしまったのよ。

「気のせいだよ」

…気のせいだよ、あなたがそう感じていること。
…気のせいなのよ、引け目を感じないで。

彼を困らせたい、困らせたくない、
気にしてほしい、気にしてほしくない、
たくさん話したい、話したくない

反復横跳びした後、やっぱり私は彼を少し困らせたくて、「気のせいだよ」なんて言いました。

彼にとって、一番スッキリする方法。
わたしが楽しそうに、前を向いている感を出して、過去を過去として、他愛のない話をすること。

…なんとなく、それだけはしたくなかった。
だって、彼だけずるい。そんなの、ずるい。


わたしがこんなにも彼に執着している理由。
それは「後悔」なんだと思う。

別に彼ともう一度付き合いたいわけじゃない。
あくまで私は、当時の彼に心酔していただけであって、否、当時の想い出に心酔していたのであって…

…これは厄介なのかもしれない。ある意味、人物よりもタチが悪い。よりによって、想い出なんて。

「あのときああしておけばよかった」
「どうして素直になれなかったんだろう」
「わたしは私を許せないほど、彼を傷つけた」

…ごめんなさい。
こんな所で吐き出すような言葉じゃないことは分かっている、わたしは私が許せない。彼は優しいから「そんな昔のこと今でも気にしてたの?」なんて笑い飛ばすだろうけど、わたしは、私は。


こういった想いを抱えて、描いて書いて作詞作曲して、昇華しきれないほど、夢に出てくるたびに胸が締め付けられて嬉しく思うわたしは、どうやら彼を忘れたくないらしい。


ああ、死んだらあなたに会いたい。

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