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「“プロ”になりたくない」を考えてみたら、ライターとしての価値観が見えた話。

“プロ”になりたくない。

この一文を、こねくり回すnote記事です。

プロってなんだ?

まず大事な点。プロ、プロ、プロ。いろんなところで耳にするけれど、それって何を指すんだろう。

ひとまずGoogle先生に訊いてみましょう。プロ=プロフェッショナル=専門的職業に従事する人、らしい。

「専門的職業」に「従事」か。語源を深めたいわけじゃないので、深入りはしないけれど、「職業」というところがキーワードになる気がします。

柔らかく言い換えると……

「なにか特別なスキルが必要なものを、職業として選択し、生業としている」

といったところでしょうか。

プロってどんなイメージ?

言葉は、辞書的な意味だけを有しているわけではありません。さまざまな文脈によって、意味が付与されるもの。それには強いものも弱いものもある。

辞書的な意味は、まさに強い文脈だと思います。あとは、辞書に書かれてはいないけれど、社会通念的に共有しているものとか。

一方、弱い文脈は個人が持つ、単語へのイメージのこと。個人的な想いとか、こだわりとか。そういったものが表出したものかな、と思っています。

なので、前段は強い文脈。ここでは、弱い文脈を考えてみましょう。

プロ。そう聞いたとき、僕が思い浮かべるのはプロサッカー選手です。(サッカー好きなんです。推しはイタリアの名門・ACミラン。)

そして、付随するイメージは「圧倒的な強者」。

サッカーって、競技人口が多いですよね。僕も小学生のころにサッカースクールに通っていました。でも、プロと呼ばれる人は、ほんの一握り。一緒にボールを蹴っていて、「アイツめっちゃうめぇ……」となった友達でさえも、プロの足元にも及ばない。じゃあ、プロと呼ばれる人は、どれだけ上手いんだろう。彼ら、彼女らは雲の上の上の上の上の上……の存在、といった感覚があります。

前段で、プロのことを「なにか特別なスキルが必要なものを、職業として選択し、生業としている」と書きました。

ここに僕が持つ弱い文脈も加味すると……

「特別なスキルを活かしながら働く、圧倒的な強者」

になりますかね。うん、結構しっくりきます。僕にとっての“プロ”という言葉は、「特別なスキルを活かしながら働く、圧倒的な強者」を指すんですね。

自分の職業に置き換えてみよう

いまはサッカー選手で考えました。じゃあ、僕の職業に当てはめてみたらどうでしょうか。

僕の職業は、わかりやすくいうと、編集者・ライターです。ここでは、ライターで考えてみましょう。

ex)
・プロのライターを目指しているんです
・あの人って、プロのライターだよね

おわーーーーーーー、めちゃくちゃゾワっとします……。誰かのことを言いたくもないし、何かの間違いで十数年後にスキルアップできていても、言われたくない。

うーん、なんでだろう。僕にとっての“プロ”は「特別なスキルを活かしながら働く、圧倒的な強者」です。ここに「ライター」という変数を代入してみましょう。

「取材や執筆のスキルを活かしながら働く、圧倒的な強者」

第一ブロックは違和感がありません。取材や執筆のスキルは伸ばしたいと思っていますし。問題は、第二ブロック。「圧倒的な強者」です。

なるほど。「ライター」と「圧倒的な強者」の関係性がしっくりこないのか。

言い換えると、僕は「ライターは圧倒的強者であるべきじゃない」と考えているのかもしれません。

じゃあ、ライターってどうあるべきなのよ。

そうだなぁ……。

「誰よりも、問いを抱えて考えているべき」

でしょうか。

それは読者さんのことを考えて、というのもあるのですが、僕がライター業をしていく“価値”を落とさないため、です。

僕は、正直「伝える」ためにライターをしていません。もちろん、届けてなんぼなので、届ける努力は怠りませんが、そこが主軸じゃない。

僕の主軸は、「考える」ためです。

どうしたら心地好く生きられるんだろう?なんで息苦しくなっちゃうんだろう?他人と良い関係を築くには?望む暮らしってなに?

そんな問いと向き合って、一歩でも足を前に進める。そして、新しく見えた世界で、何倍もの量にもなった問いが降ってきて、また考える。

そんな感覚を大切にしたいと思っています。

つまりは、常に“分かっていない”んです、スッキリすることなんて、ない。頭はハテナでいっぱい。ぐるぐると考え続けている。

……うーん、圧倒的強者感の薄いこと薄いこと。

なるほどな、だから僕は“プロ”になりたくないのか。

こねくり回してみて

“プロ”ってやだなぁ……と漠然と思っていただけが、考え始めると、僕にとってのライターの価値観にまで発展しましたね。自分でも書いていて面白かったです。

こういう自分にとっての“気づき”があるから、書き続けるんだろうなぁと思います。

言わずもがな、この文章を書いた後も、新たな問いは降ってきています。

僕にとっての「圧倒的強者」ってなんだ?
他の人の弱い文脈での“プロ”って、どんなだろう?
ライターじゃない職業で考えたらどうかな?(ライター以外にもやっているので)

これらは、また今度考えてみようかな。

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