見出し画像

2023.01.17 おむすびの日

28年前の今日、私はまだ幼かった。
私自身は関東住まいだったけれど、
祖父母含め親戚一同は、ほぼみんな兵庫県に住んでいた。

朝、目をこすりながら起きたら
母が慌てていたことを
今でもぼんやりと覚えている。

『神戸が、えらいことになってる』

母は起きてきた私にそう言った。

私は現場にいたわけでもなければ
私は誰か大事な人を亡くした身でもない。
幸いなことに、親戚は誰一人大事なかった。

それでも
家の中はしっちゃかめっちゃかになったと言うし
ほそぼそと酒屋を営んでいた親戚は
店舗で色んなものが割れていたという。
スマホはおろか、携帯電話も一般的でなかったあの頃。
かろうじて親戚に繋がった電話はすぐに切れていた。

さっきNEWS WATCH9で、
当時小学5年生だったという男性の話を特集していた。
あの震災でお父様を亡くされたとのこと。

まだ、がれきが多い中でも
「遊んでくる」と自転車で出かけては
お父様が亡くなった場所へ行き、手を合わせていたらしい。

その男性の長男が今年、当時の男性の年齢になり、
男性は去年までは自分1人で行っていた黙とうに、
初めて息子さんを連れていき、
当時の記憶を、お父様の最期の言葉を話したという。

いつ、何が起きるか
本当に不確実性の高い世の中になった。
2030年、2035年、首都圏や東海地方を襲う地震確率の話もある。

願ったって、防げないかもしれない。
願ったって、何も守れないかもしれない。

それでも、私は願うことにも希望を持ちたい。

阪神・淡路大震災から今日で28年。
今年の言葉は「つなぐ」。

『若い人が、若い力が、今後もつないでいってほしい』

今日1月17日は、
震災後、ボランティアの炊き出しで配られた「おむすび」から
「おむすびの日」とされている。

人と人を結ぶ。
先の読みづらい困難な今だからこそ、
“むすぶ”の大切さを、しっかりとかみしめていきたいと思う。

2023.01.17

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?