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フィンランドでの私の暮らし

5か月間の留学生活も折り返し地点が過ぎて、もうすぐ3カ月が経とうとしています。
今週末から1週間ほどイースターの休暇で授業が無いので、家でゆっくりしたり楽しみな予定を立てたりと、日本ではあまり馴染みの無いこの期間を満喫できたらいいなと思っています。

日本を出てヨーロッパで暮らすという貴重な経験をさせてもらっているので、毎日の過ごし方や感じていることを、ちょっと長くなるかもしれないけど記録してみます。



気候や自然について

私が到着した1月の初め頃は、毎日マイナス30度で、外を歩けばまつ毛や髪の毛、鼻の中まで凍るような寒さでした。
といっても屋内は常に20度くらいに設定されていて、水道やシャワーからもすぐにお湯が出るようになっているので、部屋の中で寒い思いをするようなことはありませんでした。
基本的にはタイツとヒートテックを仕込んだ上に普通の冬服を着ていて、外に出るときだけダウン・マフラー・ニット帽・手袋・雪用のブーツを身につけて外気に触れる面積を最低限にすれば、思ったよりも寒くないです。

1月末くらいからはだんだん気温が上がってきて、2月には日中は0度前後で安定するようになりました。マフラーや手袋は無しで、ダウンとブーツで外に出ている人が多いです。
気温が上がるにつれて地面の雪が溶けてくるのですが、一気に溶けるわけではなく夜の寒さでまた凍るので、地面が本当に滑りやすくなって危険です。
雪用のすべり止めがついたブーツを履いていても、ツルツルするので歩くのには注意しなければいけません。でないと私のようにコケます。

地面には滑り止め用に黒い石が撒かれています。
これを撒くでっかいトラックみたいなのが早朝から動いてくれる
のですが、音がめちゃでかいのだけ何とかしてほしい。
あとこの石があってもコケるときはコケます。



3月初め頃までは比較的暖かい日が続いていたのですが、ここ1週間くらいでまた気温が下がって、雪が降る日が多いです。1週間前に一晩でたくさんの雪が降って、せっかくコンクリートが見えてきていた道がまた雪で真っ白になっていたときには、振り出しに戻されたようなショックを受けました、、

寒さとは別に意外と大変なのが、曇りの日です。
留学前から、日照時間が短いので体調やメンタルを崩さないように気を付ける必要があるとは聞いていたのですが、私は想像以上に気分が落ち込みました。
毎日曇りで太陽を見られない日が1週間以上続いたときは、毎朝カーテンを開けて地面も空も真っ白なことにうんざりして、普段あまり感じない孤独感のようなものもあってかなり落ち込んでいました。
太陽を浴びないことで肌荒れを起こすこともあるので、私はビタミンDのサプリの他にマルチビタミンのサプリも飲むようにしています。

曇りが多い分、太陽が出た日の幸福感は本当に大きいです。空が青い!太陽がまぶしい!幸せー!!って叫びたいような、太陽への感謝の気持ちでいっぱいになります。晴れた日に外に出ると小さな子どもからおじいちゃんおばあちゃんまでみんな活き活きと散歩していて、ほっこりします。

フィンランドは森と湖が本当にたくさんある国で、日本では見られない圧巻の景色がすぐそこにあります。
私は冬のフィンランドしかまだ経験していないのですが、晴れた日の青い空と白い地面のコントラストは本当に綺麗だし、凍った湖の上でスキーやスケートを楽しむ人々を見られるのもこの国ならではの体験で面白いです。

凍った湖の上を歩いた日の1枚
この上でスケートやスキーを楽しむことができます


寮での生活

私は大学から歩いて30-40分くらいの場所にある、留学生用の寮が集まる学生村のようなところに住んでいます。中心には食堂・ジム・勉強スペース・ミーティングルームなどが入った複合施設があって、それらは基本的に無料で使えるので学生にとっては十分すぎるほどの環境が整っていると思います。

寮は1人部屋の棟もありますが、ほとんどの棟は複数人でのシェアルームです。
私が住んでいる棟は少し古いタイプの2人部屋で、ルームメイトとはキッチン・シャワー・トイレを共有しています。他の棟の3-4人部屋だとダイニングテーブルがあってルームメイトとそこで一緒に過ごすということも多いみたいなのですが、私たちの部屋にはそれが無いので、それぞれの個室で過ごす時間がほとんど。英語の力を伸ばすという面では少し物足りない環境かもしれないけど、プライベートの時間を確保できてストレスが無いので私は案外気に入っています。
私のルームメイトはアメリカから来た女の子だけど、ルーツが別の国にあるみたいで、部屋から聞こえてくる電話の言葉は何言ってるか全然わかりません笑。

到着した日の私の部屋。快適!


留学生は基本的に同じ学生村に住んでいて、寮のそれぞれの棟は歩いてすぐ行ける距離にあるので、自分のお皿やコップを持って誰かの部屋に集合して一緒にご飯を食べるということがよくあります。

寮から大学まではバスもありますが、毎日乗っていると交通費がかさむので私は基本的に歩いて通っています。セメスターの間自転車をレンタルすることもできるので、自転車に乗って通学している生徒も多いです。
雪の時期でも冬用タイヤをつけて自転車に乗っている人が意外に多くて驚きました。

買い物・お金の使い方

寮の近くにはスーパーが3つあって、一番近いところは徒歩3分くらい。10分くらい歩けば、大手スーパーの s-market と k-market があります。大学の近くには、これも大手スーパーのLidlがあります。どこも行けば大抵の生活用品が揃うのですが、品揃えが違ったりそれぞれのオリジナル商品があったりするので、目的によって使い分けています。

物価はスーパーの商品だと日本よりも少し高いかな?くらいの印象です。野菜や果物は量り売りが主流で、欲しい分だけ量りに乗せて商品の番号を押せば、バーコードのついた値札が出てきます。
フィンランドに来てすぐに香港人の留学生と一緒にスーパーに行ったとき、この量り売りの仕組みがよくわからなくて、現地の人が買う様子を2人で観察して学びました笑。
お惣菜や鮮魚のコーナーには担当のスタッフがいて、何をどれくらい欲しいか伝えると包んで用意してくれます。

店内の表記は基本的にフィンランド語で全然わからないので、Google翻訳のカメラ機能を駆使するか、これ何?と聞くと英語で教えてくれるスタッフがほとんどです。

フィンランドはすごく学生に優しい国で、学生証を見せれば、学食や交通機関は学割が効くし、その他の外食レストランでも学生料金が設定されていることが多いです。
学食はキャンパスに複数と、寮や市街地の中にもあって、場所によってコンセプトが違って面白いです。
サラダやおかずなどをワンプレートに盛るビュッフェ式で、基本的には€2.95(500円弱)で食べることができます。
ただ店舗によっておかずは1種類まで等のルールがあってそれを越えると追加料金が発生するので、ランチ1食で600-900円くらい取られて悔しい思いをします笑。
留学生たちは基本的に自炊や学食で普段は節約して、休暇をつかって色々な国に旅行に行っている人が多いです。

ある日の学食


治安・言語・フィンランド人の雰囲気

フィンランドに来て怖い思いをしたことはまだありません。基本的に日本にいるのと同じような感覚で過ごせると思います。
ただ、盗難や怪我などトラブルが起こった時に日本と同じようにスムーズに対応できるとは限らないので、未然に防ぐためにも注意するに越したことは無いし、へルシンキなどの大きな都市に行くときは普段よりさらに気をつけたほうが良いとフィンランド人のチューターさんに教えてもらいました。

フィンランドはとても清潔な国です。公共施設のトイレには基本的に石鹸や手を拭くものが備え付けられていて、日本よりも設備が整っているなと感じることもあります。
また、フィンランドの水道水は軟水で非常にきれいで、水道水をそのまま飲むことができます。ちゃんと美味しいです。
(水道水を飲む場合はお湯を出すと少し濁っているので、いちばん冷たいのに設定した方が良いみたいです。)

人口密度が低いということもあって、どこに行っても混みすぎているということは無いし、静かです。フィンランドに到着した初日、寮に向かうのに乗った電車が本当に静かで清潔で驚きました。
日本人にとってはすごく生活しやすい国なんじゃないかなと思います。

フィンランドではユニセックスのトイレをよく見かけます。
トイレのドア開けるとこんな感じで一つ一つのトイレが独立していて、手を洗うところまで中に備え付けられています。


言語については、フィンランドの人たちはどの世代もほとんどの方が流ちょうに英語を話します。
買い物などで店員さんと話すとき、一言目はフィンランド語で話しかけられてもお願いすれば英語で対応してくれます。お店のスタッフだけではなく、街を歩いてるおばちゃんも英語を話すし、何か困ったときは聞いてみるとみんな親切に教えてくれます。
フィンランド人にとっても英語は母国語ではないので、彼らが使う英語はシンプルで理解しやすく、真似しやすいものが多い気がします。そういう意味でも、英語を学ぶ場所として良い選択だったなと思えます。

フィンランド語は難しいとよく言われます。大学でフィンランド語の基本的な会話のフレーズを学べる授業を取ってみて、確かに文法を理解するのは難しいなと感じました。
フィンランド人も自分たちの言語が難しいとわかっているので、日常生活でも、英語で話せれば問題はないです。でもその分、Kiitos(ありがとう)など、知っているフィンランド語で挨拶してみるとものすごく嬉しそうに返してくれます笑。
自分の言語を外国の人が話してくれるのって確かに嬉しいことだよな、と思います〇

フィンランド人はシャイで真面目、日本人に性格が少し似ていると言われますが、実際に話してみて確かにそうだなと感じました。他のヨーロッパの国々からの留学生と比べても、静かな人が多い印象があります。
日常生活でも公共の場で知らない人に話しかけるようなことはあまり無く、仲良くなるまでの距離感が割と遠い感じがします。でも話しかけると親切に対応してくれるし、仲良くなるとたくさん話してくれます。

私が通っている大学では日本語の授業が開講されていて、それに参加している日本に興味をもったフィンランド人と日本人留学生でのコミュニティがあります。中には日本に留学していた人やこれからするという人もいて、かなり日本語を話せる人もいます。

Laskiaispullaというパンを一緒に作りました
中にホイップクリームとジャムを挟んで食べる、
とても美味しいパンです○



長くなりましたが、フィンランドは日本人にとってすごく住みやすい国だと思います。
あと2か月と少しの間ですが、春が来るのを心待ちにしながら、ここでの暮らしを楽しみたいなと思います。

お気に入りの散歩コース

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