頭痛
低気圧が近づくと必ず頭痛がする。
天気予報よりも正確に雨の予想ができる。
卑弥呼様も雨の予兆を感じた時には頭痛がしていたらしい。
ずっと家にいる私には全く有り難くない能力である。
常備薬に手を伸ばす。
あまり飲むと胃が荒れるんだが、、
やむを得ない。
飲まない限りずっとついて回るだから。
しかし、晴れと雨が交互に来るのは都合が悪い。
頭痛は高気圧と低気圧の境目で起きるからだ。
私の故郷は山に囲まれた盆地になっていて、
雨が降りやすくこの時期には毎日雨が降る。
そう考えれば、ずっと雨が降っている方が私には都合が良かったのかもしれない。
学生の頃は朝起きて雨が降っていると恨めしかった。
通学するだけで疲れてしまうし
ベタベタとした湿気のせいで私の癖のある髪はよりいうことを聞かなくなる。
決まらない前髪を手で押さえつけながら
渋々通学していたあの時。
我慢して周りに足並みを揃えようと必死になっていたあの時。
きっと自分は自分の望む人間になれると信じてやまなかったあの時。
あれから故郷を離れ、私はいく度目かの梅雨を迎えようとしていた。
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