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泥中に咲く一輪の白い花(34)

  どうすれば

最初の男は実の父親だった事。そして自殺。
母とその男達から凌辱を受けた事。
家を出て、やくざに拾われ生きる希望をくれた事、その人とのクスリとキメセクと射殺。
アルサロ、ホテトル時代の、本数勝負の事。
泡姫として、客の為にと尽くした充実した日々の事。
普通の家庭を夢見た時期、その人の自殺。

好意を持った人。父と竜崎。そして帯刀。その3人との死別。

「分かった?、、、そういう女なの、、、私が惚れたら、みんな死ぬの。だから、幸太郎君とは一緒になれないの、好きになっちゃいけないの、、、分かった?幸太郎君。」
幸太郎、俯き泣いている。肩を震わせ泣いている。顔中涙の幸太郎が、話しだす。
「……話してくれた、、、桜子さん、自分の事話してくれた、、、その事が嬉しい、、、
 でも、桜子さんの生きてきた昔が、可哀そうで、、、何かしてあげたいし、、、何もできないなら、これから一緒に居たいし、、、昔の事なんか忘れて欲しいし、、、
 嫌いになんかなりませんよ、桜子さんの事、、、ますます、一緒に居ないといけない気がしてきたし、、、、」
「ちょ、、ちょっと、幸太郎君、、、、」

【あれ、なんか逆効果だったみたい、、、こまったなあ、、、】

「桜子さん。俺の事、好きにならなくて良いです。いえ、むしろ好きにならないでください。俺が一方的に好きなだけですから、、、」
「困った子ねぇ、、、どうすりゃいいのさ、、、」
自分に好意を持ってくれている男性が傍に居る。それだけで情が湧くと言うもの。
幸太郎を死なせたくはない。

【そうだ。お祓いに行こう。私に着いている何かを祓って貰おう。】
効果があるとは思ってはいないが、自分の気持ちの問題である。幸太郎は大丈夫だと思いたいとの気持ちも湧いてきている。その為の気休め。
【姿形の見えない何かに すが るのは、あの母親と同じなのか、、、いや違う。母は、教えを信じた。私は教えとかは信じない。お祓いを頼むだけ、、、】そう考える事にした桜子。

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