見出し画像

泥中に咲く一輪の白い花(14)

   母の変態

翌日帰ってきた母親は酔っ払っていた。着て行った喪服も所々破れ、薄汚れていた。桜子はそれでも、なにがあったのか知りたくはなかった。母親の事などどうでも良かったし、母親も桜子の事はどうでも良かった様だった。
それからというもの、桜子は学校へは行かず部屋に閉じこもり、母親と言えば朝、桜子の弁当を作り、テーブルの上に置くと、出かけて行く。
何処に行っているのかは知らない。二人の間に会話は無かった。

そんな暮らしが3ヶ月ほど続いた頃、珍しく母親が家にいた時、どこかへと電話を掛けていた。
「……私、、、、うん、今日でも良いよ、、、、親子丼、、、」との会話が、2階の桜子の部屋に聞こえた。
桜子、気にも留めていなかった。
1時間ほど経つと、玄関のチャイムが鳴り母親が出迎えに行った様な足音がした。その後、男の声がした。乱暴そうな口調の二人組の様子。
1階のリビングで話をしている。お酒とかビールとかの声も聞こえる。あの母の笑い声も聞こえた。
30分くらいした時、階段を上がる足音がしたと思ったら、桜子の部屋のドアが開き、母親と二人の男性が入ってきた。桜子は、驚いて布団を抱きしめた。
「おじょうちゃん、、、おいで、、、良い事しよっ。」大柄な男性が桜子の持っていた布団を剥がし、桜子の腕を掴んで来た。
「イヤっ!、止めてっ!、、助けてっママっ!」と叫んだが、母親の表情は変わらない。
ベッドから引きずり降ろされた所で、左頬に平手打ちが飛んできた。頭がクラっッとした。身体は壁に打ち付けられた。


意識が飛んでいた様だった。気がつけば狭い風呂場に裸の男二人と母親、全裸になって浴槽にもたれかかる自分が居た。
一人の男が桜子の股間をまさぐっていた。「ぎゃっ!、や、止めて、、イヤっ、イタイっ」と叫んだ。その途端、桜子のみぞおちへ男のパンチが入った。
「グっ、グェっ、、、ゴホっ、、、」ゴボっと言う音と共に、胃袋の中の物が出てきた。自分のお腹の上に嘔吐物が広がった。
「お~お~、、きったねえな~、、、」と男が言いながら、お腹の上の嘔吐物を手に取ると桜子の顔に塗りたくってきた。一部が口の中へ入る。
その口の中へ、男のイチモツが押し込まれてきた。苦しい、、、痛い、、、思わず口を閉じようとした。桜子の歯が男の物を噛んだ。
「痛ってぇ~!なにしやがんでぇいっ!」また、平手打ちを食らって、また意識が遠くなりかけた桜子。
【抵抗したら、殺される、、、】と思った瞬間、自分が自分の体から抜けていくような気がした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?