日本語が含まれる道路標識類

道路標識類に日本語が含まれるものを拾い上げてみる。

なぜまとめたか。
外国人在留資格の特定技能職種に「運転手」を追加するという話がある。
外国語で運転免許の学科受験を受けることができるという話がある。

日本で自動車に乗るなら
あるいは免許が不要な自転車に乗るのだとしても
運転に先立って、道路に登場する道路標識類を、公共の危険を生じない程度に理解する必要があると思う。
そして、道路標識類には日本語で書かれているものがある。

そのことを思いながら、どの程度の日本語を読める必要があるだろうかという視点でまとめたという経緯。とくに気になるものを中心にまとめた。

規制標識は言葉を交えて表現しているものは限定的。しかし、案内標識、補助標識、道路標示にはかなり多種多様な言葉が用いられている。加えて、日本は他国に比べて補助標識が多いらしい。そのため、運転するうえである程度日本語が読めることは、本来は必須な気もする。

下記の括弧内の番号は、道路標識令の別表2や別表4の番号を表す。

道路標識類

道路標識(規制標識)

  • 通行止(301)

    • これは文字よりも標識の図で覚えれば大丈夫か。

  • 時間制限駐車区間(318)

    • 分という文字は読めてほしい。日常生活でも使うことになるだろうから、読めるだろう。

  • 危険物積載車両通行止め(319)

    • 「危険物」と書かれている。外国語母語の人が業務車両を運転するのでなければ問題なさそうに思う。外国人在留資格の特定技能職種で認められる運転業務の範囲によっては問題がありそうに思う。

  • 重量制限(320)、高さ制限(321)、最大幅(322)

    • これは日本語読みではなく、メートル法に慣れるということだろうと思う。

  • 車両通行区分(327)

    • 「二輪」「軽車両」と文字だけ書かれている。絵がないので、文字だけで判断をする必要が出てくる。

  • 専用通行帯(327の4)と路線バス等優先通行帯(327の5)

    • ほとんど「専用」「優先」の文字の違いだけ。絵の部分は、バスの横に引かれた線が実線か点線かという違いがある程度。バス専用とバス優先を読み分けられる日本語力は、自動車運転するうえでの前提としてほしい。

  • 徐行(329―B)

    • 英語(SLOW)が併記されている「徐行(329―A)」に置き換えが進んでいるものと思う。しかし田舎を中心に、まだまだ「徐行(329―B)」は多いと思う。

  • 停車可(404)

    • 「停」の一文字だけの標識。許可系の青色標識と「停」の意味を知っていれば、標識を忘れていても思い出せるはず。

  • 中央線(406)

  • 停止線(406の2)

  • 規制予告(409―A)

    • 標識令に載っている例示の図の「自転車を除く」「日曜休日を除く」「この先100m」くらいは読めてほしい。

補助標識

標識の下に小さく示されていて、標識の適用範囲を規定するもの。
諸外国に比べて、日本はこれが圧倒的に多いと聞く。日本人のきめ細かなところということだろうか。しかしそれが、諸外国の方にとって交通規制の理解を難しくする。

  • 距離・区域(501)

    • 標識令の例示「この先100m」と「ここから50m」を読み分けられる日本語力は、自動車運転するうえでの前提としてほしい。また同じく例示の「市内全域」なども読めてほしい。

  • 日・時間(502)

    • 時刻の範囲が示されているケースは、数字と記号だけであり、まず問題ないと思う。

    • 標識令の例示には「日曜・休日を除く」とある。「除く」の有無で意味が逆転する。ここは読み分けてほしい。あと「休日」は国によって大きく異なる点も要注意。

  • 車両の種類(503―A)

    • 標識令の例示に「大貨」「原付を除く」などと書かれている。「大貨」のように省略されているのが要注意。日本語を知っていれば覚えていなくても「大型貨物」のことだろうと推測つく。母語が日本語以外だと難しいかもしれない。ただし知らないと、自身の車両が規制対象か判断できないので重要。外国人在留資格の特定技能職種で認められる運転業務の範囲によっては問題がありそう。「除く」は他の補助標識含めて随所にあるので要注意。

  • 駐車余地(504)

    • 見たことがない。標識令の例示では「駐車余地6m」と書いてある。

  • 駐車時間制限(504の2)

    • 標識令の例示では「パーキングメーター表示時刻まで」と書いてある。

  • 始まり(505―B)、終わり(507―B)

    • 「ここから」「ここまで」の意味は重要。逆に判断すると危険。

  • 始まり(505―C)、終わり(507―D)

    • 「ここから」「ここまで」の区域バージョン

  • 通学路(508)、踏切注意(509の2)、動物注意(509の4)

    • このあたりは道路標識と同じものが記されているように思うので、道路標識の絵から連想できるかもしれない。

  • 規制理由(510の2)

    • 「騒音防止区間」「歩行者横断多し」「対向車多し」、これはものによっては重要にして、バリエーション豊富。

道路標識(案内標識)

案内標識は全般的に親切な印象。
地名、国道(ROUTE)、本線(EXPWY)、登坂車線(SLOWER TRAFFIC)など、ローマ字や英語が併記されていることも多い。
気になったのは以下くらい。

  • 非常電話(116の4)

    • 電話の図もあるので大丈夫か。

  • 退避所(116の5)、非常駐車帯(116の6)

    • 車幅が膨らんで退避可能なことが分かる図がある。日本語読めずに絵だけで意味を理解できるだろうか。

  • ……限度緩和指定道路

    • 総重量や高さの限度緩和指定道路指定。一定以上の総重量や高さの車両は、特定の車線を走りなさいという指定。業務車両なら、総重量限度緩和指定道路も関係しそう。外国人在留資格の特定技能職種

道路標示

道路路面上に書かれている標示。

これは、読めてほしい率が高い。日本語が書いてある標示は、ほぼ読めてもらわないと困るレベル。

  • 車両通行区分(109の3)

    • 車線に「二輪・軽車両」や「自動車(二輪を除く)」などと書かれているもの。

  • 特定の種類の車両の通行区分(109の4)

    • 車線に「大貨等」などと書かれているもの。

  • 牽引自動車の高速自動車国道通行区分(109の5)、牽引自動車の自動車専用道路第一通行帯通行指定区間(109の8)

    • 牽引車を走行する場合の車線

  • 専用通行帯(109の6)

    • 車線に「バス専用」などと書かれているもの。

  • 二段停止線(203の2)

    • 無くなる方向にあったような気もする。

その他

電光掲示板の「路面凍結注意」なども読めるのが望ましい。

まとめ

「車両通行区分」を表す道路標識や道路標示、「車両の種類」を表す補助標識、「日曜・休日を除く」など曜日まわりの補助標識、「除く」などありなしで意味が逆転する言葉、あとはバス専用とバス優先の違いを読めること、このあたりは全体の中でもより重要と感じた。

これらを読めずに運転するのを、本当に許可してよいものだろうかと、疑問には思う。

あるニュースでやっていた、7か国語話せるタクシードライバーのような人なら、もちろんウェルカムではある。こういった人なら学習意欲もあるだろう。日本語の道路標識や道路標示を読むこともできると思う。


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