「知らない人んち」の感想と考察

 ドラマ「知らない人んち(仮)」最終回もエンドロールに名前を載せて頂きました。結局採用はされませんでしたが、この短期間で毎回一本のシナリオを書くということ自体、かなりいい経験になったと思います。
 実はこのドラマ、シナリオを書くために録画して繰り返し見ていたので家族もしっかり視聴者になっていました。最終的には投稿前に僕のシナリオを母に一読してもらっていたという。


ドラマの感想:プロ脚本家版の方が断然面白い。

 もちろん技術や発想力の問題もあるでしょうが、プロ脚本家版では設定なんて下敷きでしかなく怒濤の展開が繰り広げられています。
 その点 note 版は「続きを考えてもらうための伏線」を引っ張らなければならない。結果、第3話の辺りで間延びして面白くなくなりました。母も「真が書いたやつの方が面白い」と。
(失礼を承知で言うと、特に3話の警官が偽物と明かしたところは蛇足だったと思います。あれによって竹田先生の死は九分九厘フェイクになってしまったので)

 脚本を書き慣れている僕は設定よりも会話による展開を重視していて、だからこそ採用されにくかったのかなと思っています。はい。以下、長々と負け惜しみ……各回のポイントと反省を書いていきます。


第1話:教師と探偵と介護職

 他の伏線は追々回収するとして、まずは3人のキャラクターを固めよう。アク・ジェミ・キャンをそれぞれ子供・親・祖父母世代に関わる全く別の職業にしてみました。その組み合わせ的には「意外な正体」にできたと思っています。

「近頃の子育てって、最高の道楽でしょう?」

 から始まるアクの台詞は結構どや顔で書いていたんですが、僕のシナリオの設定でないと活かせない。
 それから次回へ繋げるためのブラフが「殺してしまった」なのはやっぱり安直だったかなと反省。殺すつもりはなかったんですけどね。


第2話:行動心理学の実験

 全てリアル路線で書いた僕のシナリオの中で、一番奇抜な設定だったと思います。アクが学者でキャンがその助手、きいろとジェミが被験者。心理実験の舞台にすることで大抵の伏線は回収できました。あと、濱津さんの教授役は脚本会議メモでもお褒め頂きました。

「君、マッドサイエンティストの素質があるんじゃない?」
「ありがとうございます」
「褒めてないよ」

 この掛け合いは我ながら傑作でしたね。これまたアクが学者でないと成立しない台詞ですが……。アクが教授の足を蹴るのも気に入っています。
 第2話もラストは少々雑でしたね。あと「ニゲテ」が回収できなかったのか。とりあえず暗室開けて引っ張ればいいかなぁと。


第3話:ただただサイコパスが見たい

 この回は神がかっていました。実際に放送された note 版より断然面白い自信があります。アクがサイコパスという設定自体はそんなに新しくはないですが、お題の「身なりを整える」でこれしかないと思ったのです。

「大丈夫、足はつかない。だってここは――知らない人んちだから」

 この台詞とワイヤレスイヤホンは本当に2日でよく思いついたと思います。
 反省点を挙げるとすれば、ゲストがリアル YouTuber だと知らなかったことですね。あんなに頑張って6人に意味のある役を振ったのに、普通に考えたら自分を褒めたいポイントだったのに……。


最終話:説明するより思い出した方がドラマになるじゃん

 note 版第3話が今一つだったし、自分版第3話が神がかっていたので本当は「恐怖の館からの脱出」的な話を書いてやりたかった。が、お題がある以上それは叶わないので「戸塚純貴さんにどんな演技をしてもらいたいか」というモチベーションで書くことにしました。

「アク、なんて顔してるの」

 というキャンの台詞×2に見たい表情を詰め込みました。「二人ってデキてるの?」に噴き出すのはさすがにベタ過ぎただろうか。でも見たかったんだもの。
 伏線の回収はちょっと雑でしたが、実際の放送も意外と雑だった(と僕は思いました)ので、まあこんなものでしょう。


最後に…

 色々書きましたが「終わり良ければ全て良し」の理論でいくと、アクが銃を突き付けるカットで終わったので「良かった~」と思いました。
 まさか「ハッピーエンド」で終わるわけがないし、この1ヶ月で戸塚さんのコワ格好いい顔のファンになったので最後に見られて安心(?)しました。

 さあ、吐き出すもの吐き出したからまた次のコンテスト応募するぞ~!

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