『ルーティンワーク』
登場人物
秦昭彦(32)
光子(30?)
SE 勢いよくカーテンを開く。
光子「昭彦さん、起きてください。昭彦さん……明彦さん!」
昭彦「……何だい? 光子さん」
光子「朝食の用意ができました」
昭彦「そんなことか」
光子「朝食は毎日七時半に頂くと、おっしゃったのは昭彦さんです」
昭彦「そうだけどさ」
SE バサッと布団をひっぺがす。
光子「眠気が取れないようでしたらバケツを取って参ります」
昭彦「バケツ……? ま、待った!」
光子「目が覚めましたか?」
昭彦「覚めたよ。頭から水ぶっかけられたらたまらないからね」
光子「それはよかったです」
昭彦「意地でも起こせと言ったのは仕事に根詰めてた時の話だからさ、別に今日はそこまで――」
光子「朝食の時間を遅らせた方がよろしいでしょうか?」
昭彦「そういうことじゃないんだよ。面倒くさいな」
光子「光子は不要でごさいますか?」
昭彦「だからそういうことじゃないって。光子さんのおかげで僕は規則正しい生活が送れています。感謝しています」
光子「昭彦さん!」
SE ベッドに飛び込む。
光子「大変うれしく思います」
昭彦「……重いよ、光子さん」
光子「失礼致しました。ニ分十七秒も遅れてしまいましたね。早く、朝食に――」
昭彦「光子さん!」
SE 光子の充電を始める。
光子「いたしましょう。あれ、明彦さんどうなさいました?」
昭彦「(笑いながら)僕の世話焼き過ぎて自分の充電忘れないでください!」
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