NiziUのセンターは誰にするべきか?

Nizi Projectでは、デビューするメンバーの数が最後まで決まっていなかったので、「誰が合格するか?」とともに「何人組になるか?」の予想合戦が盛んだったのですが、多かった予想が「7人」か「9人」で、理由として「センターを作るために奇数になるはず」というのがあって、「そういうものなのか」と思った記憶があります。確かにK-POPは、TWICEは9人、BTSは7人、セブチは13人、IOIは11人など、奇数のグループが多いようです(もちろん、BLACK PINKの4人とか例外もありますが)。

そこでまずは、アイドル・グループにおける「センター」について、考えてみます。

僕が思いつくかぎり、アイドル・グループにおけるセンターとゆー概念の始まりは、キャンディーズでしょうか。デビュー当初はスーちゃんがセンターだったのが、ランちゃんをセンターに変えた「年下の男の子」がヒットしたことで、センターとゆー存在に初めて注目が集まった気がします。解散が決まって、それまでセンターを勤めてなかったミキがラスト前のシングル「わな」で初めてセンターをとったことも印象的でした。

その後の女性アイドルはソロが多く、おニャン子クラブもフロントは4人だったので「センター」とゆー概念はありませんでした。むしろ、河合その子や高井麻巳子のよーなソロでは強烈な個性を放っているメンバーが、グループでは後ろの方にモブキャラでいることの方が、特徴的だったよーな気がします。

その後、ちょっと変わったところで思いつくのは、スーパーモンキーズ。当初、安室奈美恵をセンターにした5人組でデビューしますが、すぐにリーダーの牧野アンナが脱退し4人組の「SUPER MONKEY'S 4」になってしまいます。確かに安室がセンターじゃない4人時代のパフォーマンスは、座りが悪かったかもしれません。その後、メンバーが1人減り2人増えて「安室奈美恵 with SUPER MONKEY'S」と完全に「センター安室+バック4人」の体制になり「TRY ME」がヒット。その後はご存知の通り、安室はソロで、バックの4人はMAXとして活躍します。確かに、安室奈美恵くらい実力が圧倒的なメンバーがいるときは、奇数メンバーでセンターに据えた方がよいとゆーのは、スーパーモンキーズの例からすると納得はできます。

アイドル・グループにおける「センター」とゆー概念が広まったのは、AKB48からでしょう。総選挙などメンバー間競争における1位を象徴するものとして「センター」とゆー概念を設定し、舞台用語である「0番」までも持ち出して神格化されることになりました。

一方、男性アイドルについては、センターとゆー概念を聞いたことがあまり無い気がします。考えられる理由として、ジャニーズは多くの場合「ツートップ」制を採用しているからではないかと思います。

80年代の、たのきんトリオ、シブがき隊、少年隊などの3人組について、かつて「よい子の歌謡曲」での分析で「赤の人(田原俊彦、本木雅弘、錦織一清)」と「青の人(近藤真彦、薬丸裕英、東山紀之)」と「残りもう一人(野村義男、布川敏和、植草一秀)」で構成される三角形(で「残りもう一人」がそのグループの性格を生み出している)とゆーのがありましたが、「赤の人」と「青の人」とのツートップのペアリングとゆー手法は、平成以降も基本的に継続されている気がします。SMAPも、普通のプロデューサーならキムタクをセンターに設定しそうに思いますが、中居君をリーダーにした6人組でデビューしていますし。その後も「森田剛・三宅健」「堂本光一・堂本剛」「滝沢・翼(または渋谷すばる)」「亀梨・赤西」など、Jr.時代から2人をライバル関係として並べ、そのまま2トップとしてグループとしてデビューさせていることが多いです。そして、2トップ以外のメンバーには、ある程度はメンバー格差を前提としたうえで、個性を磨くことを求め、それが、例えばV6ならバラエティや料理、KAT-TUNだったらラップやボイパなどなど、グループ全体の個性となっています。

ジャニーズで例外的に「センター」を明確に置いたグループとしては、光GENJIの諸星和己があります。当時のジャケット写真を見ると、諸星を先頭としたV字になっています。また最近では、Sexy Zoneの佐藤勝利も「センター感」がありました。2人とも、ジャニーさんの期待がそれだけ大きかったのかもしれません。また、光GENJIにおける光も2人(内海・大沢)、Sexy Zoneにおける健人・風磨のように、年上の2トップに支えられていた構図も共通しています。

ジャニーズがなぜ長年2トップ・システムを採用してきたのか、理由はわかりませんが、グループの運営としては、お互い切磋琢磨するでしょうし、一方で辛いときに頼れる存在にもなり、それを見たファンの熱も高まりますし、更にはリスク分散の意味も含め、結果的にはとても理にかなっているシステムだと思います。

欅坂の例を出すまでもなく、今の時代「絶対的センター」を1人据えることは、いろんな意味でリスクが大きいように思います。

さて、NiziUのセンターについてですが、虹プロを見ていた人の多くは、ミイヒがセンターになるものと思ったのではないでしょうか。ただ今のところ、明確に特定のメンバーをセンターに出したビジュアルや映像は出ていません。写真や映像では、リーダーのマコをセンターに置いた並びが多いですし、「Make You Happy」は、誰がセンターというわけではない(あえて言えば、サビを歌っているリク・ミイヒ・ニナ)です。また、NiziUを象徴する楽曲の1つ(例えばライヴでオープニングナンバーになったり)である「Baby I'm a Star」で、最初のフォーメーションのセンターにいるのはリマでした。

ミイヒをセンターに据えないのが、元からの方針なのか、それとも彼女のスランプを受けてのものなのか、理由はわかりません。それとも、リーダーで最年長のマコをセンターにおくのか、オールマイティでJ.Y.Parkの期待も高くしゃべりの能力も高そうなリクをセンターにおくのか、ルックスやラップなどわかりやすい能力の高さを持つリマをセンターにおくのか。それとも固定のセンターはいっさいおかないのか。秋に予定されている本デビュー曲のフォーメーションを楽しみにしたいと思います。

ただ、これは個人の妄想ですが、メンバー数を10人にしてでも「ミイヒとアカリの2トップ」のNiziUを見てみたかった、と、かなわぬ夢を今も抱いている自分もいたりするのですが。

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