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⑤テントサイト

この章では各テントサイトの特徴や周辺状況を記載していきます。いづれのサイトも信越トレイル事務局への事前予約が必要で、テントの数にかかわらず、ハイカー1人につき1000円の使用料金がかかります。

■予約の方法と支払いについて
公式サイトがリニューアルされ、2020年6月からは予約後の支払いがSTORESのページから可能になりました。クレジット、キャリア決済、コンビニ支払いなどが可能です。とはいっても予約と支払いが2段階になっており、ちょっと分かりにくいです。支払いでエラーが出ることもあるので、その場合は予約からやり直しになります。二重予約が心配な場合は支払いの際のコメント欄で事後報告すれば問題ありません。

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以下、斑尾側から順番に、

①赤池テントサイト

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赤池のほとりにある立派な小屋から右側へ100mほど池の脇を歩き、奥に入ったスペース。トレイルからは若干距離があります。小屋の脇には水道がありますが、飲料不可なので浄水が必要。「飲料不可」とは塩素処理をしていないため、飲料水としての基準を法的に満たしていないという意味です。浄水器を通せば普通に飲めます。小屋に併設されたトイレ内のコンセントからはモバイルの充電が可能です。ハイカーにとっては充分に設備が整ったサイトでしょう。ただし池のほとりのため、湿度は高く、テント内は結露します。小屋の2階のテラスは利用可能ですが、建物内は施錠され利用できません。このサイト周辺は脇道やサイドトレイルが多く、道迷いが発生しやすいのでよく地図を確認しましょう。

※赤池サイトは基本無料ですが、個人の判断で1000円の寄付としてサイト利用料を支払うことも可能です。オフィシャルサイトを参照のこと。


②桂池テントサイト

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もともと作業小屋があった場所を再整備して出来たテントサイトです。平丸峠が横断する一般道路のすぐ脇にあります。すぐ近くにはトイレもあります。作業小屋をリフォームして非難小屋風にしていますが、床は無く、ドアも無いため、あくまで緊急用です。雨の日は中で煮炊きや雨宿りが出来るので便利です。テントスペースは芝生で水はけもよく快適です。一段上がった上のスペースも平地ですが、基本的には駐車スペースとなっています。周辺には池があるため、テント内は結露が発生しやすくなります。水場は舗装道路を新潟県側に300mほど歩いた太郎清水。こちらは正規の水場なので浄水しなくても飲料可能ですが、心配なら浄水器を通してください。この水場は夏場に雨が少ないと枯れることがあるので注意が必要です。


③とん平テントサイト

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仏が峰入り口から戸狩スキー場のゲレンデ内を20分ほど下った場所にあり、完全にスキー場のエリア内となります。スキーシーズンのみ営業するレストランが隣接し、その脇にあるスペースを利用しているので雰囲気はあまり良くはないのですが、このサイトには他にない利点があります。隣接するレストラン(スカイトップ)はオフシーズンでもハイカーのためにドアが開放され、1階のトイレが24時間使える上に電気がつきます。コンセントも利用できるため、モバイルツールの充電が可能です。また1階のスペースは広いので、悪天候の際の避難場所としても機能するでしょう。もちろん水道も使えます。レストランの目の前にも「おさよの涙」と名づけられた湧き水があり、こちらは浄水不要の美味しい水です。また、このテントサイトを利用する場合は別のアプローチトレイル(北条歩道)を使うことで、スキー場の中を通らずに稜線上の小沢峠とアクセスすることができます。この道のブナ林は大変美しく、古くからの峠道ゆえ登りも下りも歩きやすいのが魅力です。途中には「おさよの滝」という名所もあり、夏場は水浴びが出来るほどの水量です。

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④光が原テントサイト

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こちらはグリーンパル光源荘という宿泊施設に併設されたキャンプサイトです。関田峠から舗装道路で繋がっていますが、関田峠から牧峠方面にメイントレイルを少し進んだところから、アプローチトレイルが直接伸びているので、トレイルから下ること20分で到着できます。舗装道路を歩くか、トレイル本線からアクセスするか、状況により判断が出来ます。到着したら一番に自動販売機が出迎えてくれるのが嬉しいポイントです。館内に入るとなんと温水シャワーが200円で利用可能。調理場で電子レンジやトースターも使えます。もちろん宿泊も可能。テント場も広大。施設内では充電も出来ます。悪天候の際には素泊まり2300円、コテージが3000円で利用可能。利用価値は大です。ここだけは信越トレイル事務局の管理外で、前日までに直接予約が必要となります。携帯が繋がれば、当日の到着予定時間を知らせるのがマナーです。料金は現地で支払うシステムです。予約をしないで到着した場合、当日に他の利用客がいない場合は午後4時には管理人は不在となり、館内施設は使えなくなります。勿論キャンプサイトも使用できないので必ず事前に連絡して下さい。キャンプサイトはエリア内に点在し、バリエーション豊富。受付で見取り図がもらえます。基本的にはどこに張ってもOKなようです。

⑤野々海テントサイト

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以前は栄村役場が管理していた既存のキャンプサイトを再利用しています。深坂峠に向かう一般道路に隣接していますが、山奥のため通行者は稀です。現在では窓口だけ信越トレイル事務局が担当していますが、管理自体はあくまで栄村役場となります。サイト脇にある水道は沢の水から直接引いているので必ず浄水が必要です。サイト脇にはBBQ用のスペースがあり、そばには野外コンセントもあります(2020年9月の時点では使えませんでした)。テントサイトは斜面を段々に造成しており、木枠で1スペースずつ区画した形態となります。当然上部の方がお勧めです。場所によってはペグが刺さりにくい区画もあります。トイレは道路を挟んだ向かいにあり、ここではトイレ外にある照明のコンセントから確実に充電が可能です。テントサイトからは野々海が一望できますが、当然湿気が多く、テント内は結露が発生します。

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他、テスト運用中のテントサイト

⑥菱ヶ岳キャンプサイト

野々海テントサイトと光が原キャンプサイトとの距離が開きすぎているため、この区間は最大の難所となり、特に夏場はリタイアの原因となっていましたが、2つのテントサイトの丁度中間に位置する菱ヶ岳(キューピットバレイスキー場山頂リフト終点駅舎脇)のテントサイトを新設してテスト運用中です。詳しくは信越トレイルクラブ事務局にお問い合わせ願います。(※2019年の豪雨によりアプローチトレイルが崩壊し現在は使用不可、野の海側からはアプローチ可能)

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・まとめ

赤池、桂池、野々海と何故かどのサイトも池や湖のほとりにあるため、湿気が多くテントは必ず結露します。過度な対策は必要ありませんが、それでも若干の注意は必要。水の問題も飲料可能な場所とそうでない場所があるので、浄水器は必須です。光が原やとん平はトレイルから離れており、一見不便ですが、その分を補う利点も多いので、計画に上手く組み込んでみましょう。繰り返し言いますが、光が原のシャワーは最高です。


・利用期間

キャンプサイトの利用期間はいずれも6月中旬から10月下旬となっていますが、これはアクセス道路の冬季閉鎖と解除日にあわせて変動するためです。つまり「道路が閉鎖されれば管理も出来ないため利用も出来ないよ」ということになります。光が原キャンプサイトのみ10月30日までの利用受け付けとなり、31日は利用不可となるので注意が必要です。11月以降、降雪期までのテントサイト利用に関しては、信越トレイル事務局に直接問い合わせてください。


・予約システムへの解釈

事前予約でテントサイトを予約した場合、何らかの理由でキャンセル、または途中でリタイヤした場合、一度入金した料金は現状のシステムでは返金がされません。その代わり年内に再度チャレンジする場合に限り、振り込んだ料金を次回利用時に繰り越すことは可能です。また、実際に歩き始めてからのスケジュール変更で、テントサイトの利用日や利用場所が若干ずれ込んでも、事務局に連絡すれば臨機応変に対応してくれます。相互理解の下、ルールを正しく解釈して利用する柔軟な姿勢が、ハイカーにも求められます。

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