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知事が動く! 東部移動知事室

7月18日(火)、19日(水)の2日間、沼津市・伊豆市で「東部地域に息づく技術と文化」をテーマとして、東部移動知事室を実施しました。


移動知事室とは

知事の唱える「現場主義」の具現化のため、執務の拠点を一定期間にわたり出先機関(今回は東部地域局)に置くことにより、県内各地域における重点施策の推進、政策課題や県政への要望等を現地で確認し、対応を図ることを目的に実施するものです。

①半導体製造装置技術を活用した最先端超低温技術の開発 (株)エイディーディー(沼津市宮本)

平成13年創業した半導体製造装置の温度制御機器であるチラーユニットの修理や改造等を主業務としている沼津市の企業です。

半導体製造装置の需要が高まる中、製造メーカーを問わずに修理に対応できる強みを活かして業績を伸ばしており、この修理技術を活用して、近年では、-120℃の超低温冷凍機の開発やダイヤモンド成膜事業も展開しています。
視察では、半導体製造装置の修理現場やダイヤモンド成膜事業の視察をするだけではなく、-120℃を体感できる「クライオフット」を体験させてもらいました。

クライオフット体験の様子

②「フェンシングのまち NUMAZU」に誕生した活動拠点「F3 BASE」(沼津市大手町)

東部地域局通信第6号にも掲載された沼津市のフェンシングの拠点施設である「F3 BASE」を視察しました。

「F3 BASE」の詳細はコチラを御覧ください。
沼津市長の概要説明やオリンピアンによるフェンシングの実演、沼津市役所職員によるスマートフェンシングの実演をしていただきました。

オリンピアンによるフェンシング実演

③安定した飼育環境による新魚種の量産実証研究の開始 温水利用研究センター沼津分場 量産実証施設(沼津市口野)

温水利用研究センター沼津分場は平成17年4月から稼働を開始し、伊豆地域を中心とした県全域の栽培漁業(※)の拠点として活用されてきました。今回視察を行ったのは、ノコギリガザミやクエなどの稚魚を大量生産する技術を開発する令和5年3月に再整備が完了した量産実証施設です。

※栽培漁業とは・・・卵から稚魚になるまでの一番弱い時期を人の手で守り、その後、自然の海に稚魚を放流し、成長したものをとる漁業。

量産実証施設には閉鎖循環システムという技術が導入され、稚魚の生産に必要な飼育水に外部の水をほぼ使わないことで、水質の管理や病気からの隔離をすることができるようです。
水産資源や漁業生産量の減少に対応し、水産資源を増やす取り組みの一つである最先端の稚魚生産の現場を知ることができました。

稚魚の観察

④キャンプ×ビール 東部地域のクラフトビール先駆け (資)ベアードブルーイング(伊豆市大平)

静岡県東部はクラフトビールの聖地と言われるほど、クラフトビールの醸造が盛んな地域ですが、(資)ベアードブルーイングは東部地域の中でも先んじて取り組んでおり、平成14年1月から沼津市でベアードビールの販売を開始しました。平成26年には、生産工場を伊豆市修善寺の元キャンプ場跡地に移し、ビールと自然を掛け合わせた「ベアード・ブルワリーガーデン修善寺」を開設。その後、キャンプ場を復活させ「キャンプ・ベアード」を開設、運営しています。

視察では、環境に優しい持続可能な醸造設備やクラフトビールの封入現場などを見せていただきながら、「クラフトビールの作業現場は4K。きつい・汚い・危険。でも、かっこいい。」といったクラフトビールにかける情熱についてお話しいただきました。

醸造所の様子

⑤東部地域における国際バカロレア教育の先進事例 加藤学園暁秀中学校・高等学校(沼津市岡宮)

平成10年4月にバイリンガルコースを設置し、平成12年に国際バカロレアMYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)校として認可され、平成14年に国際バカロレアディプロマ校として認可されてから、20年以上に渡って、国際バカロレア教育に取り組んでいる学校です。授業は日英両言語で学び、「人間教育」「大学進学教育」「国際理解教育」の3つの柱の下で教育を行っています。

視察では、「TOK(知の理論)」という授業に参加して、全て英語で先生と生徒、若しくは生徒同士で意見交換を行っている授業を見学させてもらいました。

授業見学の様子

国際バカロレアとは…多文化を理解尊敬し、探究心・知識・思いやりを持って社会に貢献することを目指す国際的な教育プログラム。世界の複雑さを理解し、未来へ責任ある行動を取るための態度とスキルを身につけさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格を授与し、世界中の大学への進学ルートを提供している。

TOK(知の理論)とは…特定の知識体系を身につけるための授業ではなく、ある物事に対して、批判的に思考して、知るプロセスを探求する授業。

⑥沼川・高橋川沿いの浸水被害を軽減するための抜本的な治水対策 沼川新放水路(仮称)(沼津市大塚地先ほか)

沼川新放水路は、沼津市西部地区の浸水被害を解消するため、抜本的な治水対策として現在整備中です。この放水路は平成24年に策定された河川整備計画に位置付けられた、整備延長2.3kmの新設水路です。

今回視察した下流側においては沼川及び高橋川の洪水を直接海域に流すための地下構造のトンネル河川を施工中でした。
また、完成後には見ることのできないトンネルの中や海岸防潮堤部の工事の様子を見せていただきながら、進捗について説明していただきました。

進捗説明の様子