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猫の手と鼓動


猫が寝ている 椅子の上に

私が通りかかる 急ぎ足で

猫はぐうっと伸びをして

前足を私に差しのべる

その爪が わずかに私の衣類をとらえる

私は猫のアピールに引っかかり

私に向かって思いきり開かれた猫の手に

指を差し出す

私の指は肉球に触れ

そしてがっしりと大きい肉球と肉球の間にするりと入り込む

猫の指と指の間にある水かきのような皮膜まで

私の指は届いてしまう

かさりと乾いた大きな肉球

猫の指の膜

そこには かすかだけれど確かな

私の指がドキリとするような

温かさがあった


指の側面にはよく発達し 乾いた大きな肉球

指の先には薄く けれど丈夫で弾力のある猫の指の膜

そこに包まれる私の指の感覚を

覚えておこう

その 鼓動が高鳴るような 確かな熱を

残しておこう



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お読みいただきありがとうございます。楽しんでいただけたなら嬉しいです😆サポート、本と猫に使えたらいいなぁ、と思っています。もしよければよろしくお願いします❗️